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ゲストトーク 小林宏慈さんのコバダン的視点 | 紙と印刷とラジオ 第9回

公開日 2020.09.02   更新日 2023.06.30

ラジオをはじめて2回目の出張です。収録前に炭酸水を飲み、げっぷが止まらない西谷さんと株式会社小林断截に来ております。ゲストは社長の小林宏慈さんです。

昭和38年に先代の小林康男さんが会社を創業、墨田区石原で断裁機1台から事業を始め、徐々に規模を拡大しながら工場を移転し、平成11年5月に今の会社がある緑二丁目に本社・工場を構えました。小林宏慈さんは平成15年に先代から経営を任され社長になりました。

前回の出張同様、後ろで機械の音がしています。

機械のスピードを落として高品質な製本を丁寧に仕上げる工場

今回配信した機械の音は、紙に穴を空ける加工機の音です。5本のドリルの刃が取り付けられており、上から下へ6回ふり下ろしてA4サイズの紙に30個の穴を空けられます。使用規模は違いますが、家庭用の穴あけパンチと仕組みは同じですね。工場の中には綴じ機、穴あけ、紙の並び替えをする機械など製本を中心とした種類が異なる機械が沢山あります。これらの機械を使って大ロットの商品を製作することもありますが、株式会社小林断截には小ロットで通常通りに製本しないものや特殊な紙を使用する製本、高速で機械を回していると何かの拍子にすぐ傷がついてしまうような繊細な加工など、高い品質を求められる注文が多く寄せられます。作業の精度を上げるため、機械のスピードを落として丁寧に製本を行っています。作業効率は決して良くないこれらの注文は、サイトのお問合せフォームや口コミなどで頂くそう、時には注文ではなくマニアックな加工の相談を受けることもあります。

印刷会社で拾いきれないこだわりは小林さんのところで

印刷会社の営業は、印刷は詳しいですが加工のことはそこまで理解されていない場合があります。そのため、デザイナーの要望を加工会社に伝える時点で、デザイナーが本当にやりたいこととズレが生じてしまうことがあります。印刷会社の加工方法への理解度で仕上がりが変わらないように、小林さんが丁寧に加工方法を聞き、協力会社への加工指示を小林さんから流すこともあるそうです。小林断截は製本するデザイナーの駆け込み寺ですね。

こだわりが強い要望が来たときに大切にしていること

注文の依頼を頂く時、中には製本についてしっかり調べてから尋ねてくるデザイナーもいますが、基本的には丁寧に説明をすることでデザイナーがやりたいことを擦り合わせるそうです。また、リング製本や短冊カレンダー、ハードカバー、糸かがりなど社内で出来ない加工を同業者に協力してもらう場合もあります。その方法こそ小林断截の持ち味を出せる方法で、加工の知識を駆使し社内範囲で製作しないことで製本の可能性が他にもあることをデザイナーに伝えたいという想いから同業者と作業をするそうです。外部を通した場合の予算や作業期間の兼ね合いも、協力会社内で内容をまとめ、小林さんの方から印刷会社に指示を出せるようにし、打合わせで聞いた要望に忠実な製本が行えるようにします。ディレクションのプロであることが大切にしているとのこと。会社や工場を回すことももちろん大切ですが、やっていて生きがいに感じることを仕事にしていきたい想いが強く、なにがあってもディレクション的立ち位置は取り続けていきたいそうです。

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