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印刷のあれこれ-1 | 紙と印刷とラジオ 第6回

公開日 2020.08.12   更新日 2023.09.05

夏になりました。群馬県は気温40℃、東京都は37℃と、とても暑いです。蝉も鳴き始めましたね。極端な気温差は印刷の宿敵です。冬はインクが固まり、機械も冷えて動きづらくなります。CTPの版は暑いと化学反応を使って印刷する部分がおかしくなるため、お盆明けに建物内が温まっていたりすると、機械の電源が入らなかったりします。紙も梅雨時は湿度が上がるので波打ちやすいです。今回は印刷のあれこれについてリスナーの方から届いた質問をもとに語りました。

印刷についての疑問

オフセット印刷で印刷をすると、はじめに色が安定するまで予備紙で印刷しますが、やはり刷られ具合はスカスカな状態なのですか

まずは今回2回目となるドグさんからの質問。オフセット印刷は版にインキを付けブランケットに転写し、紙に版の内容を写しとる印刷方法です。機械に紙を通しながら徐々に濃度を上げて印刷していくので、最初は紙に写しとるために必要なインクの量が供給されていないません。およそ200枚程で規定の濃さまで上がり、その後データに合わせてバランスを調整して本刷りに移っていきます。インクジェット印刷だと1枚目から綺麗に刷り上がりますが、助走が必要なのがオフセット印刷。凹凸のある紙など、印刷が難しい場合にはもう少し予備の枚数を使ったりすることもあり、場合によっては印刷の仕上がり枚数よりも、色出しで使う予備紙の枚数の方が多い、なんてこともあります。

予備紙の枚数を抑えたいときは

短期的にインキを直接ローラーにつけ、一気に濃度を上げて印刷する方法はありますが、その時に付けたインキと実際に機械から安定して供給されるインキの量は一致してないため同じ濃度で刷り続けられるとは限りません。また、たくさんのローラーを経由して印刷をするので、すぐに濃淡を切り替えるのも難しいです。予備紙は多めに用意しましょう。

金、銀、銅色の表し方についての疑問

印刷で銅の質感を出すためにはどうしたらよいですか。紙質で光らせる方法などを聞きたいです

Mr.Kさんからの質問は、紙質や印刷では表現が難しい色の見え方についてのもの。金、銀、銅色の紙の見え方には粒子(メタリック系)と鏡面(メッキのような艶系)の二つの見え方があります。印刷で金箔のような出力をすることは紙の上にインクを乗せるので凸凹が残ってしまい難しいです。
紙でも金と銀の色は2種あり、銀色についてはアルミホイル(貼合紙)のような見た目のものと、キラキラとした粒子系(雲母みたいな石を塗ったゴールドシルバー)のアルミペーストがあります。しかし、同じく鏡のような面を出すことは出来ません。

なるべく色を近づけるには

印刷の金、銀、銅色が思ったほどはっきりしないという話題はデザイナーからも上がっています。ではなるべく「それっぽい色」まで近づける方法はあるのでしょうか。金色でご説明するとCMYK、特色の金インキの2つの印刷方法方法があります。CMYKの印刷では金色はほぼ黄土色に見える仕上がりに。写真やデザインの錯覚で金色に近く見せることは出来ますが、物理的には光沢のない違う色です。特色で印刷するとインキに金属がペースト状になったものが入っているので、紙の上で乱反射しメタリックな色に見えます。紙の要素でも、コート紙と上質紙では見た目は変化します。組み合わせで変化するということですね。

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