デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06いつもはディレクターをしてくれている東北紙業社の加藤さんに、抜き加工のあれこれについて教えてもらいました。
大前提として、紙は必ず抜くか切る工程が入ります。冊子やちらし、ポスターなどは長方形(正方形)のものは断裁。それ以外の形のもの、例えばPOP、ジクソーバズル、パネルなどは抜き加工で作られています。また、封筒、箱、紙袋なども出来上がりは長方形ですが、展開すると十字型になっていて抜き加工で作られます。変わったところだと、パッケージや紙クリップ、ハンガーなども抜き加工です。
この話の前提としてのビクとトムソンという言葉の意味を理解する必要があります。この二つは基本的には同じもので関西ではトムソン、関東ではビクトリアという2社のメーカー名が語源だそうです。この言葉が3つの意味で使われているため、ややこしいことになると加藤さんはおっしゃいます。
1つ目は「加工の名前」としてのトムソン抜き・ビク抜き。この2つは同じ加工を指していて、別の加工方法としてブッシュ抜き、ポンス抜き、レーザーカットなどがあります。
2つ目は「機械の名前」としてのトムソン機・ビク機。これも同じ機械をさしていて、別の加工方法として倒し(アップダウン)、ハイデル、プラテン、オートンなどがあります。
3つ目は「型の名前」としてのトムソン型・ビク型。これまた同じ型を指していて、別の型では腐食型や彫刻型などがあります。
東北紙業社さんは、①ビク抜きを②倒しやオートンを使い③ビク型や彫刻型や腐食型を使っている。という説明になります。トムソンやビクという言葉が加工の名前、機械の名前、型の名前のどれを指しているかがわからないことで、会話がすれ違ってしまうことがあるので注意が必要です。
抜く工程と一緒にデボス(エンボス)、紙象嵌、折り筋、半切れ、ジッパー等の加工することが可能です。それによって断裁工程を省いたり、加工手間を減らすことができることがあります。ただし、加工には制約があるので加工屋さんとよく相談してください。
抜き加工の費用は型代・セット代・加工代・むしり・諸経費の組み合わせで決まります。型代・セット代はイニシャルで発生し、加工代・むしりは数量によって金額が変わります。
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