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デザイナーもノンデザイナーも幸せになる「デザインの伝え方」イベントレポート(前編)

公開日 2021.03.03   更新日 2021.03.09
伝わるデザインの授業 オンライントークイベント

2020年12月30日、co-lab墨田亀沢にて『伝わるデザインの授業』(著書 武田英志氏)発売記念のオンライントークイベントを開催しました。

グラフィックデザインを手掛けられている株式会社hooop代表の武田英志さん著書『伝わるデザインの授業 一生使える8つの力が身につく』の発行を記念し、武田さんとコミュニティファシリテーターの有薗が、お酒を片手にデザイナーとビジネスパーソンの両方の視点から「伝わるデザインとは何か?」についてトークしました。武田さんから参考になるお話しがたくさんきけたので、その様子を前編・後編でレポートします。
当日の動画はこちらから
伝わるデザインの授業 オンライントークイベント

武田英志さんのプロフィール2人とも初のオンラインイベントの試みということもあり、スタートは少々緊張気味でした(笑)。まずは、自己紹介をして乾杯からのスタート。
武田さんは、2013年に株式会社hooopを立ち上げ、本や雑誌、パンフレットなど読み物を主体にした各種制作のほか、出版や広告、各種プロモーションツール、ディスプレイなど幅広いデザインを手がけています。現在、co-lab 渋谷キャストのメンバーです。今回、このオンラインイベント実現の背景には、私有薗が印刷会社の代表として、またco-labを運営する中で多くのクリエイターと一緒に仕事をする機会が増え、デザインの力を実感してきたというのがあります。
武田さんは、デザイナーがデザインについて言語化することで、多くの人にとってデザインの理解が進み、より世の中のコミュニケーションが円滑になるのではと考え、本を出版されました。これまで互いに仕事の相談をし合ったり、イベントを実施してきたご縁から、武田さんと有薗のデザインに対する思いが一致し、今回のオンラインイベントの開催につながりました。武田さんはデザイナーとして、私はビジネス側からの視点でデザインについて話をしました。

出版の経緯

伝わるデザインの授業書籍の画像

2018年秋に出版社から出版の打診をされていたという武田さん。そこから2020年11月の発売まで約2年の歳月がかかったそうです。
「最初はプロ向けのデザイン本をつくろうとしていた」という武田さんは、出版の依頼時から次第にプロ向けのデザインの書籍が増えてきたため、デザイナー以外の方に読んでもらうことに意味があるのではと考え、コミュニケーションが円滑になるようにデザインを言語化して伝えようと、読者のターゲットを変更しました。

「デザインを20年やってきて、出来上がったデザインに対するアウトプットはできるものの、どのような理由でこのデザインが出来上がっているかを言語化することは、クライアントへの説明はもちろん、人材育成にも役立つと考えた」と武田さんはいいます。

伝わるデザインの授業 オンライントークイベントデザイナーではない人に向けて書かれた本です

そのため、デザインについて理解したいと思う人や興味のある人たちに向けて『伝わるデザインの授業 一生使える8つの力が身につく』を出版したと経緯を話してくれました。ビジネスでは言語化できないと、なかなか感覚が通じ合わなくなり、デザイナーとビジネスパーソンと距離が生てしまうことが往々にしてあります。デザイナーとビジネスパーソンのそんな不幸を招かないために、デザインが「伝わる」ためにはどうすればいいのか、その基本的な考え方や方法が武田さんの本には書かれています。

デザインがとんなことに役立つか?

本書は、全部で8章に分かれています。「デザイン力を身に着けることで、こんなことができる、こんな形で役立つということを説明したかった」という武田さんは、実践的にデザインの初歩を学ぶ内容に仕上げています。

伝わるデザインの授業 オンライントークイベント
<本書の構成>
1章 かんたんに見せる
2章 正しく伝える
3章 フォーカスを当てる
4章 雰囲気を演出する
5章 情報を可視化する
6章 ストーリーを作る
7章 想像させる
8章 アイデンティティを作る

有薗:「俺にはデザイン関係ない」という人はいないと思うんですよね。社内の報告書でもパワーポイントで資料をつくるにしても、伝わりやすいデザインのがいいですし、デザイナーにコストはかけられないけど、お店のメニューをわかりやすくつくりたいとか。だからこそデザイン言語化というのは、ビジネスパーソンとデザイナー両方にとって必要なことですね。ともすれば、感性や感覚に頼りがちになるところではあるので。
武田:身近に聞ける人がいないというケースがありますよね。
有薗:デザインを発注するための話はできても、自分の仕事にデザインをどう活かしていけばよいかを知る機会がなかなかないですよね。この本には、デザインの考え方やテクニックが凝縮されていると思います。

デザインのお悩み相談コーナー(前半)

書籍について教えていただいたあとは、いろんな方たちからのデザインのお悩みに答えるコーナーへと移っていきました。

まずは、フォントに関するお悩みから。

お悩み1

書体に関する悩みは誰もが持っているようですが、武田さんは、「和文書体はモリサワパスポートが基本。欧文書体は時を場合に応じて。Adobe Fontsもよく使います!」という回答。有償でダウンロードできるフォントはありますが、フリーの書体でビジネスパーソンが使いやすいクオリティの高い和文フリーフォントがあるそうです。武田さんのおすすめは3つ。

・游ゴシック
・Noto Sans CJK JP(源ノ角ゴシック)
・M+フォント

有薗:游ゴシックってありなんですか?
武田:デザイナー目線だと游ゴシックはだいぶ見やすいです。
有薗:本の中でも述べられていますが、可読性や視認性よいということですね。
武田:字に丸みがあるので柔らかい雰囲気になり、しっかりした長い文章だと読みやすいと思います。Noto Sans CJK JP(源ノ角ゴシック)は、GoogleとAdobeが共同開発した書体で種類が多いですが、おすすめは「CJK JP」というもの。CJKはチャイニーズ・ジャパニーズ・コリアという意味で、東アジアのフォントが全て使えるようになっています。ウエイト(太さ)も7種類あり、どのような場面でも使いやすくてプレーンな印象。私は一番おすすめしたい書体です。
有薗:おすすめはみんなゴシックなんですね。
武田:M+フォントは、カジュアルでモダン、明るいという印象。長文よりキャッチコピーや短いワードを立たせたいときに、マッチすると思います。使用している人は少ないですが、インストールしておけば安心です。これら3つは、MacでもWindowsでも使用できて互換性があるので、データのやりとりをするときに便利です。

お悩み2

続いては、色使いのお悩みについて。
いつも似たような見た目になってしまうのならば、実践的に解決させる方法として武田さんは2点挙げます。

・黒を薄いグレーに置き換えてみよう
・うすーい地色を使ってみよう

有薗:これはいいアイディア。今日から使います!(笑)
武田:黒からグレーに置き換える(90%程度)と柔らかい印象になります。女性をターゲットにして見せるときなどにこの手法を使うと、印象が洗練されます。この手法を使うときには、真っ黒は一切使わず、濃いグレーに統一することが大事です。また、うすい地色を使うと洗練度、情報のわかりやすさがアップします。薄い地色があると白もデザインの一色としてカウントすることができるんですよね。アクセントに鮮やかな色を1~2か所に入れるとシンプルかつおしゃれな印象になります。

お悩み2
有薗:右下を白で抜いているから落ち着いた雰囲気になっているけど、ここに別の色があるとごちゃごちゃになってしまうわけですね。
武田:色数はそれほど増やさないほうがいい。ちなみに地色はCMYK(C5,M5,Y10)という色です。
有薗:印刷会社としては、やりづらい色ですね(笑)。でもこんな風に資料がつくれたら、同じ内容でも説得力が変わってきますね。
お悩み3

続いて出されたのは、デザイン脳の作り方、着眼ポイントのお悩みについて。
これに対して、武田さんは「違和感」と「気持ちよさ」に敏感になろうといいます。

武田:デザイナーの能力で最も大切なことのひとつは、違和感に気づくことだと思っています。行間が狭すぎて読みづらいとか、雑誌の文章と写真が合っているのか……など、ちょっとした不自然さは積もり積もってストレスになるんですよね。
有薗:違和感があると、その時点でメッセージが頭に入ってこなくなっちゃいますよね。
武田:気持ちよさも、色の組み合わせがいいとか高級感があるからプレゼントしようとか、脳が感じています。これは、デザイナーだからとかセンスがあるからではなく、無意識にみんな感じていることだと思うんです。その違和感や気持ちよさを表に出すようにしています。
有薗:違和感があったら表に出してみるということなんですかね。

ここで、2人のネームプレートがイベントや内容に対して少々堅い印象を受けた武田さんが、ネームプレートをデザインし直して披露してくれました。著書に出てくるフォントやキャラクター、色味を活用することで、一気に統一感が出て柔らかい印象になりました。

伝わるデザインの授業 オンライントークイベント【Before】ネームプレートがちょっとカタイ 伝わるデザインの授業 オンライントークイベント【After】イベントの雰囲気に合ったものに

有薗:違和感に気づくために何をすればいいんでしょうか?
武田:いろんなものを見る、ということだと思います。街中で気になったら近づいて見てみるとか、日常生活に触れるものに興味を持ってみるといいのではないでしょうか。

時間が進むにつれ、盛り上がってきた現場。Youtubeのライブ配信では視聴者のコメントでリアクションを見るという形になるので、リアルイベントを数々やってきた人間としては少々戸惑いもありましたが……(笑)。
後半のお悩みコーナーは、後編のレポートでご紹介します。

デザインについて、詳しくは武田さんの著書『伝わるデザインの授業 一生使える8つの力が身につく』を熟読してみてください!書籍のご紹介はこちらから。

当日の映像はこちらから

イベントレポート後編のページはこちらから

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