トップ ゲストトーク 新島龍彦さんの造本家的視点 | 紙と印刷とラジオ 第1回

ゲストトーク 新島龍彦さんの造本家的視点 | 紙と印刷とラジオ 第1回

公開日 2020.07.08   更新日 2023.06.30

今年(2020年)5月に平和紙業の紙、サンコーの印刷を組み合わせた展示を実施の予定が、コロナ禍になり延期に。そんな状況の中突然、平和紙業の西谷さんより「ラジオをしましょう」という声が上がりました。オンラインの発信が増えていますが、ラジオという音のみで発信する不便さの先に新しい発見があるのではないか。そんなおもいから紙と印刷とラジオがスタートしました。長年続ける気持ちで紙や印刷に関わる様々な情報を発信して行きます。

初回ゲストは篠原紙工という製本会社で製作チームリーダーを務める新島龍彦さん。
お仕事の傍ら個人でも造本家として、本の造形や内容を活かした制作活動を行っています。

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造本家という肩書

まず「造本作家」という肩書に惹かれたそうです。しかし新島さんは物語そのものを作ることはなく、また近い肩書として本の構造や技術的なところに重点を置いている「製本家」とも異なり、「本の内容とかたちを結びつける」ところに新島さんの視点があるため「造本家」と名乗るようになったとのことです。

なぜ本を作るのか

紙が昔から好きで、本の作り方を調べたことがきっかけで本を作り始めた新島さん。普段見かける本は紙がフラットで文字が書かれていますが、その本の持つ特徴に触れることで「本のかたちや紙質、ページをめくる動きが本の内容に結びついていったらより本の内容を楽しく伝えられる」と感じ、本と接することで、見たことないことに出会える面白さを感じ、本を日々作っているそうです。

造本家と製本会社のスイッチの違い

始めの頃は普段は製作会社の仕事をし、休暇を利用して造本家として自宅や会社の空きスペースを利用して本の制作を行っていたそうですが、徐々に混ざってきているとのこと。しかし、だんだんと作家活動の中で請け負える内容も変化し、造本家としての新島さんに1点ものの制作だけでなく1000部の制作を依頼するお客様も出来るようになってきたため、個人では造本家の新島さんとして依頼を請け、量産については会社の仕事として担当するというようなことになっているそう。

八戸ブックセンターにて個展「物語が本になるまでの物語」を開催中。8月23日最終日にトークイベントを行う予定です。※この個展は終了しました。

新島龍彦第1回お疲れさまでした。

 

 

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