デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06強い思いを込めて製品づくりをされている方は多くいらっしゃいますが、その思いを明確にして、お客様に伝わるよう表現できているケースは多くありません。サンコーでは「選ばれる理由を明確にし、それが伝わるようにすること」をブランドづくり(ブランディング)と定義し、co-labのクリエイターさん達と組んでお客様のおもいをカタチにしています。
糸魚川農業興舎様からブランディングのご相談を頂いたのは、コロナによる緊急事態宣言が出された4月上旬。東京からお伺いすることもできず、オンライン会議にもまだ不慣れな状態からプロジェクトは始まりました。
4月9日。糸魚川農業興舎さんとのご縁は、いつもサンコーのお仕事をサポート頂いているライターの岡島梓さんから。都度チラシを作っていくうちに、デザインテイストがまとまらず、ありきたりなチラシやパンフレットになってしまっている。そんなお悩みを持つ糸魚川農業興舎の青木さんが、クリエイターの集まるシェアオフィスに興味を持たれ、制作物について相談したい。とお話を頂きました。初回面談ももちろんオンライン。名刺交換をせずに初回面談というのも初めての経験でした。
初めてのオンラインでのプレゼンが無事終了。「選ばれる理由を明確にする」ブランドづくりのプロジェクトがスタートしました。まず最初に取り掛かるのは、ブランドコンセプトを明確にし、キャッチコピーを作る作業です。
ブランドコンセプトを作るにあたり、「こんな会社にしたい」「こんなお客様に愛される会社になりたい」といった思いはとても大事。同時にその思いが商品戦略や販売戦略と合致している必要があります。デザイン事務所出身ではないサンコーのブランディングは、ビジネスから入ることが特徴の1つです。
法人で農業に取り組むと、個人の農家と比べるとどうしてもコストは高くなります。そのため、市場を介さない産地直送モデルが必要であり、わざわざ買っていただける高品質の作物を作る方針を取っていること。しかし、現状では直送だけでは販売しきれず、農協経由の出荷もあること。など、農業興舎さんの現状と課題を数字から理解しました。
ブランドコンセプトを作るためのワークショップを開催しました。普段なら、ふせんと画用紙を用意してリアルに実施するのですが、これも初めてのオンラインワークショップ。ライブ感不足を埋めるため、ビジュアルインタビューユニットサンカクとのコラボレーションで実施しました。ライターの岡島梓さんがインタビューし、関美穂子さんがその場ビジュアル化していきます。
お客様は誰か?その客様はどんなことを考えているのか?そんな議論を経由して自社が提供できる価値と、お客様が自社求めていることの間に、ブランドコンセプトの軸となるキーワードを導きだしていきます。
話した内容がその場で可視化されるグラレコは、オンラインのデメリットを補って余りある手法で、数時間のうちに思わぬ気づきがたくさん生まれました。
ワークショップの内容を踏まえたコンセプト案を提案。そこから1か月近く何度もやり取りをして、言葉のニュアンスを微調整しブランドコンセプトを決定しました。
収穫したり精米したその日に発送するから翌日にはお客様の自宅に届き、鮮度の高い旨さを味わって頂ける。その価値を「明日、あなたを口福に」というキャッチコピーに込め、それを説明するリード文が完成しました。そして会社の紹介文章も、「いのちとこの地をおいしくはぐくむ」という言葉に込めました。
明日、あなたを口福に
毎日、田畑で働くわたしたちから伝えたいことがあります。
作物の旨さを決めるのは、鮮度です。
わたしたちが日々味わう旨さをお客さまに感じていただきたくて、
「とれたて」「もぎたて」「みがきたて」にこだわっています。
厳しくも豊かな自然のちからを借り、手間ひまかけて育てた作物。
心に、身体にしみわたる滋味が詰まっています。
明日ほころぶお客さまの笑顔を思い、心を込めてお届けします。
いのちとこの地をおいしくはぐくむ
あぐりいといがわ(糸魚川農業興舎)は、糸魚川の財産である農業と農地を守り、
「糸魚川を暮らしつづけたいまちにしたい」という思いから、2006年に創業されました。
農匠の技術を受け継ぎ、実際に作物を育んで先祖代々の農地を守り続けること。
これが、わたしたちの使命です。
もうひとつの使命は、お客さまの心身を健やかにすること。
旨さでお客さまをよろこばせ、いたわりたい。
だからこそ、日々田畑に向き合い、丹精込めた作物の鮮度を大切にしています。
「美味しい!」からあふれるお客さまの笑顔が、ふるさとを守り続ける力になる。
そんな、しあわせな循環を生み出せる存在を目指しています。
糸魚川プライド醸成所
あぐりいといがわ
心に秘めた強い思いを伝わるようにする。農業に取組む企業のブランドづくり後半はこちらから
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)