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ブランディングとマーケティングの両立を目指したトマト農家のECサイト

公開日 2023.08.08   更新日 2023.08.08

熊本県玉名市の干拓地でトマトを栽培している蘇鉄園芸様のECサイトを制作させて頂きました。生産者が持っているこだわりを伝えるためのブランディングと、サイトを消費者ニーズに合わせ進化させるマーケティングの両立を目指したサイトです。
蘇鉄園芸webサイトトップビジュアル

『トマトづくりは土づくり』というブランディング

トマトを販売しているECサイトは星の数ほどあります。どこのサイトも、自社のトマトは美味しいと伝えています。その中で、蘇鉄園芸様のトマトが選ばれる理由を明確にすること。それがブランディングだとサンコーは考えています。
蘇鉄園芸の皆さんにヒアリングし、干拓地という特殊な環境で世代を超えて土づくりに取組み、土が生み出す旨味が凝縮されたトマトを作っていることが選ばれる理由になると考え、「トマトづくりは土づくり」というキャッチコピーに込めました。また、埋め立てる前の潮の影響からか、一部の場所ではトマトが大きく育ちません。その分、小さな実にたっぷりと栄養を詰め込んだ濃厚なトマトができます。このミニトマトのように小さなトマトを潮トマトと呼んでいるのですが、その中でも4月にだけ取れる特に糖度の高いトマトを、江戸時代末期に関取として活躍した蘇鉄家初代当主の四股名から「蘇鉄嶋」と名付けました。
これら蘇鉄家のおもいがサイトを開いた瞬間から伝わるようにしたい。そのために、ブランドストーリーの原案づくりをPublicusの金澤さんにお願いしました。そのストーリーをライターの岡島梓さんがキャッチコピーとサイトテキストとして言語化し、そのコンセプトに基づいて、熊本でカメラマンとして活躍する保田有希さんがステキな写真にしてくれました。

蘇鉄園芸webサイト キャッチコピー土づくりを伝えるキャッチコピー。背景は有明海の干拓地。

競合と戦わないマーケティング

既存サイトでは、屋号検索によるトップページへの流入が9割を超えていて、リピーターの指名買いがほとんどでした。そのようなサイトはコンテンツマーケティングに注力し、ブログページへのランディング数を増やすことで、サイトのトラフィックを増やすのが一般的です。しかしトマトはコモディティ品で競合サイトが多数存在し、効果が見込めません。そのため、SNSやイベントで蘇鉄園芸様を知り、検索したときに確実にヒットすること。分析ツールを設定することで、今後ユーザーのニーズに合わせてサイトを進化させることをマーケティングの目標として設定しました。そして数あるECサイトのプラットフォームの中から、タイトルタグやディスクリプションを設定できマーケティングに強いショッピファイを選択。さらに反応速度が早く、動作が安定しているテンプレートを採用しました。
サイト制作や全体の進行管理はSoichiroさんが担ってくれました。

硬くて濃いトマトとの出会い

墨田区にあるサンコーから遠く離れた玉名市の蘇鉄園芸様との出会いは、玉名市が2021年秋に実施した『高度人材ジョブケーション可能性調査・実証事業』がきっかけでした。
玉名は古代より大陸との貿易の中継地として栄え、天皇家に石棺を献上するほどの力を誇っていましたが、江戸時代に鎖国によって貿易が出来なくなると有明海を干拓して米相場を左右する程の米どころに成長させました。昭和の減反政策により米作りがピンチになると施設園芸に舵を切り、日本一のトマト生産地に発展する。
困難を機会に変え、掴み取った機会に本気で打ち込んできた玉名人の思いが今に繋がっている。そのような『玉名市の歴史と伝統を経営資源にしたブランディング』を提案して採択され、玉名市のブランドブックを制作したことから玉名市との関係がはじまりました。
そんな中で視察に訪れたのが蘇鉄園芸様でした。土に対するこだわりと、ずっしり重くて濃い味がするトマトに驚かされたことを覚えています。

トマトサミットをいつか東京で開催したい

ブランディングやサイト制作をさせていただいたあぐりいといがわ様も、おいしいトマトを作られています。でもこちらは土を使わずにこしひかりのもみ殻を燻炭にして、溶液栽培という方法で生産されていて、味も見た目も大きく異なります。トマト農家さんのそれぞれの思いを聞きながらトマトを食べ比べる。そんなトマトサミットをいつかやりたいなあと妄想しながら、次の旬の時期が来るのを待つ今日この頃です。

トマトパスタ両国レガートのトマト1つをそのまま使ったパスタ

蘇鉄園芸 ブランディング&ECサイト制作
企画:有薗悦克(株式会社サンコー)
ブランドストーリー開発:金澤一行(株式会社Publicus)
サイト制作・進行管理 : 扇塚宇明・寺嶋祐里乃(株式会社Soichiro)
コピーライティング : 岡島梓
写真撮影 : 保田有希

03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)

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