デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06
こんにちは。チームCMYKのCです。2020年第一回目の印刷実験室。今年もはりきってまいります。写真やイラストなどRGBで作られたデータは印刷をするときにはCMYKに変換しますが、実はその方法は1つじゃないんです!?今回の印刷実験室では、いろいろな変換方法を比較してみました!
RGB…?色々な変換…?
今回のテーマは、印刷を目的としたデザイン作成で通過する、光の三原色「RGB」から色の三原色「CMY」(印刷の4原色CMYK)への変換についてです。たとえばPhotoshopでRGBデータをCMYKに変換したい場合は、「イメージ」→「モード」→「CMYKカラー」で簡単に変換が可能ですね。紙で表現可能な色の領域を示すCMYKへの変換。変換の操作は簡単にできますが、変換後も画面上ではRGBで表示されるため、どれも同じに見えます。ということは、実際に印刷してみないとわからない部分がでてきますね、この変換設定が仕上がりにどう影響するのか。実験です。
上:7428 縦方向3段階でそれぞれ違う変換
下:7543 縦方向3段階でそれぞれ違う変換
ここでは3つ並んだギターの写真を比べてみます。
〈墨版生成最大〉は、〈一般用〉と比較すると背景の黒がはっきりとでています。またわずかな差ですが濃く、澄んだ印象。
〈Ps5初期設定〉は、〈墨版生成最大〉と比較すると燃える炎の色が鮮やか。中央の写真と比較すると背景の黒はやや深みのある印象をうけます。
表面にコーティングのない上質紙では、全体的にインキが繊維までしずむ傾向にあります。(実物は写真より濃いです…)
〈墨版生成最大〉と〈Ps5初期設定〉の、背景の黒に注目。〈Ps5初期設定〉の方が、やや濃度が高く感じられます。
比較した3つの変換方法は、CMYKそれぞれの濃度、%が異なりますね。そこで、CMYK1色ずつ、どの色がどのくらい入っているのか見てみることに。
ここでもギターの部分を。左側の〈墨版生成最大〉に注目します。
3つのギターを比較すると、〈墨版生成最大〉にだけ、イエローが入っていませんね。〈一般用〉はほぼ全面にイエローが乗っています。
こちらも同様に。背景が白いです〈墨版生成最大〉。
シアンではギターもなくなり、真っ白に!
ここでやっと、背景に色が。墨版生成最大のため、その名の通り黒い部分が極力墨版で表現されます。
グレー部分が多い絵柄を使用するときは、印刷過程における版ズレが目立ちづらいよう、CMYKに変換する段階で墨版生成を調整することも。最大にし、他の色を除くことで版のズレを防ぐんですね。
〈墨版生成最大〉と比較すると、〈一般用〉と〈Ps5初期設定〉には黒以外のシアン、マゼンタ、イエローもはいっています。先ほどの上質紙では、〈Ps5初期設定〉の背景が、濃度がやや高いように感じられました。これは、4色の掛け合わせで黒を表現していることから、網点自体が多くなっているといえます。
右端のえんじ色とグレー、2色のPANTONEは縦方向にそれぞれ3段階の変換をしています。これまでみてきた結果では、ストライプの模様になっていました。
つまり、ストライプの範囲ごとに、CMYKの割合が異なります。ですが、画面で見ると…
あれ?一色!
左がCMYKに変換したもの。右がもととなるRGB。左側、画面上では一色ですが、これを印刷するとこれまで見てきたように、3段それぞれ色の異なるストライプになります。CMYKの割合を示す右下のチャンネル部分に注目してみると、その差がわかりますでしょうか?
こちらも同様に。(左:CMYK変換後)(右:変換前RGB)
画面上で見る光の三原色RGBと、色(印刷)のCMYK。表現できる色の範囲がちがうからこそ、変換が必要なんですね。
画面上(RGB)では同じものが、印刷してみるとこんなに変わる!
という実験でした。ふぅ…文字で書くのはむずかしい。印刷したものを、スキャンして説明できればいいのですが。(それではRGBになってしまう!)
奥が深いRGBとCMYK。印刷実験室Vol.9いかがでしたでしょうか。サンコーではRGBに近い印刷になるよう、色の調整も承っています。
印刷では表現されづらいみたいだけど、どうしても、このオレンジを鮮やかにみせたい!紺が黒ずんだり、赤くなったりしたくない!などなど、色に関するお悩み、ご相談も承っております。
次回もお楽しみに!
RGBデータの豆知識はRGBデータの印刷について
今回の実験室をもっとお知りになりたい方はこちらまでお問い合わせください
これまでの印刷実験室をまとめたブログを作りました是非ご覧ください
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)