トップ 「 つくれるもの」ではなく「つくりたいもの」を提案します。

「 つくれるもの」ではなく「つくりたいもの」を提案します。

公開日 2024.06.11   更新日 2024.06.11

印刷業・製本業は大量生産を前提にした製造設備が中心です。そのため、ロットが小さくなるとどうしても単価が高くなってしまいます。しかも出来上がるものは大量生産と同じもの。ロットが小さいのであれば、それを逆手にとって面白いものがつくれるのではないか?そんな制作事例をご紹介します。
今回ご相談を頂いたのは、京島共同凸工所というデジタルファブリケーション機器を備えた工房を運営している淺野様。戦前に建てられた長屋が並ぶ向島地域で開催されるアートイベント「すみだ向島EXPO」を仕事で訪れ、地域の魅力に惹かれて、翌年には移住し「京島共同凸工所」をオープンされました。そんな京島共同凸工所での日々を綴った書籍の印刷・製本についてご相談頂きました。

クライアントの「おもい」を「カタチ」にする為のご提案。

サンコーのオフセット印刷機の印刷能力は1時間で約10,000枚です。製本機も1時間に数千冊を作れる生産能力があります。安定して大量生産をするために、機械の初期設定は大変シビアで時間がかかります。そのために、印刷や製本は部数が小さくなっても費用が減らないという特徴があります。
淺野さんが今回制作される書籍は、書店流通を主軸にせず、京島共同凸工所やイベントでの手売りを中心に販売するため、300部と極小ロットです。印刷はオンデマンド印刷機を使うことでコスト削減を図ることができますが、製本代がどうしても高くついてしまいます。しかもページ数が約100ページなので、選択できる製本方法は限られます。そうなるととても価格が高く、どこにでもある本になってしまいます。大切なのは形ではなくコンテンツですが、コストが高くなりすぎてしまえば、書籍として世の中に出すこと自体が出来なくなってしまいます。

京島共同凸工所は、街の人たちがつくりたいものをつくる事を手助けする「街に開かれたものづくり工房」で、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械を設置しています。淺野さんが制作のお手伝いをすることも多いと伺いました。京島共同凸工所らしい書籍を作りたいというおもいと、予算オーバーという現実を考え、サンコーからのご提案は「製本作業がスムーズに出来る様に下準備までをサンコーで行うので、京島共同凸工所にある設備を利用して、装丁をハンドメイドで一個一個作りませんか?」というものでした

製本機で製本しないという選択

サンコーで本文をオンデマンド印刷機で印刷し、1冊ごとに丁合(ページ順にならべること)し、穴あけ加工をします。その状態で納品し、表紙は京島共同凸工所にあるレーザー加工機をつかって加工をし、ねじで留めて完成します。これによって、製本費用をぐっと抑えることができ、さらに書籍を購入した方が手を動かして完成させる体験を通じ「街に開かれたものづくり工房」という京島共同凸工所らしさを感じることもできます。
この本が出来上がるまでのやり取りや、京島共同凸工所への思いなどを淺野さんがnoteにまとめています。
こちらもご覧くださいhttps://note.com/asanoqm/n/nfb5e2527af5a

製本中(!?)の風景

表紙の印字はレーザーカットで、いろいろなパターンがある様です。

サンコーは「おもいをカタチにする会社」。ブランディングやデザインから、印刷・製本の全てを一括してお任せいただくことももちろん可能です。一方で、今回のように、ご自身で製本していただくほうがよりおもいがカタチになるのであれば、製本をしないというご提案をすることもあります。なので、アイディアの段階から是非ご相談ください。ものづくりの側から、おもいを具現化する方法を一緒に考えられたら嬉しいです。

完成した書籍は京島共同凸工所や、下記オンラインストアでも購入することができます。オンラインストアはこちらhttps://kyojima-totsu.stores.jp/

レーザーカッターやUVインクジェットプリンターを使ってサンコーで制作した事例や、実験したブログはこちらからご覧いただけます。オフセット印刷では実現できない表現方法がたくさん掲載されています。

レーザーカッターの事例一覧

 

 

 

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