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オフセット印刷の料金

公開日 2024.01.19   更新日 2024.04.30

オフセット印刷の価格はどのように決まるのでしょうか。複雑に見える印刷料金ですが、仕組みを知ると案外シンプルです。このブログを読めば、印刷会社に見積りを依頼する前に、ざっくりとした予算感を持てるようになるかもしれません。

オフセット印刷の流れと料金発生ポイント

オフセット印刷はプリプレス、印刷、断裁などの後加工と様々な工程を踏みます。各工程で、印刷枚数に関係なく一定にかかる費用と、印刷枚数に応じて増減する費用の2種類があります。

プリプレス:入稿されたデザインデータを元に、画像の解像度やオーバープリントの設定など印刷に適したデータであるかのデータチェック作業。製本の仕様に合わせた面付け。インクジェットや校正機による校正出力、刷版などの印刷の前段階をプリプレスと言います。
これらの作業は印刷枚数に関係なく一定にかかる費用です。

印刷:印刷枚数に関わらず、版をつけ替え、その版にインキをつけ、色が安定して印刷できるまでに1ジョブあたり5分~20分ほどかかります。紙も本番に入る前に数百枚使用します。ここまでの作業費や用紙代などは、本番の印刷枚数に関わらず一定に発生します。
本番印刷が始まると例えばサンコーの印刷機(結構古くて遅い)でも1時間あたり10,000枚のペースで印刷をすることができます。そうなると、菊半裁用紙300枚(A4仕上がり1200枚)を印刷する時間は2分も掛かりません。そのため一定の枚数までは台数料金(台数計算)と言って、枚数に関わらず一定料金としている印刷会社が多いです。サンコーの場合には、800枚(800通しとも言う)までは枚数に関わらず一定の料金です。それを超えると枚数に応じた印刷形態になっています。
印刷に使う紙は一部のファンシーペーパーを除き100枚~500枚の梱包単位で、菊全判、四六全判など大きなサイズで購入します。菊全判500枚の用紙は、菊半歳にすると1000枚(A4仕上がり4000枚相当)になります。小さいロットでの印刷であっても、梱包単位での紙の仕入れが必要になってしまいます。

断裁などの後加工:後工程でも冊数に関わらず一定に発生する費用と、冊数に応じて変動する費用とがあります。製本や折りでは、機械をセットし、テストする費用は冊数に関わらず発生します。一方、実際の作業費は冊数(=時間数)に応じて変動します。これは印刷料金の決まり方と一緒ですね。

印刷枚数に応じて発生する費用は、機械の生産性の向上により圧倒的に下がり、結果として印刷枚数にかかわらず発生する費用の割合が高くなりました。その費用を印刷枚数で割るため、枚数が大きくなれば1枚当たりのコストが安くなるというコスト構造がオフセット印刷の特徴です。

印刷通販と一般的な印刷会社の使い分け

プリントパックやグラフィックなどの印刷通販は、サイトから枚数やサイズを選択して注文できる手軽さと共に、圧倒的な金額の安さが特徴です。この安さの理由は、印刷枚数に関わらず一定に発生する費用を、複数社で分割して負担するギャンギングという手法を開発したことにあります。具体的には菊全判の紙に8社の原稿を割付け、固定費を1/8に減少させています。

この方法によってコストを圧倒的に下げることができますが、一方で1つの印刷物に最適化した仕上げをすることができません。価格と品質という観点で、印刷の目的に応じて使い分けましょう。

紙と印刷とラジオ第153回「ネット印刷はなぜあんなに安いのか」でも印刷通販の安さの秘密について語っています。是非聞いてみてください。
「ギャンギング」についてサンコーで実験してみたブログはこちらから。

「紙と印刷とラジオ」でも語っています

印刷の料金について語った回「第16回 紙と印刷とお金」は、ラジオの中でも人気の回です。文章ではわかりづらい!という方は是非音声でお楽しみください。

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