デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06この美しいジンのラベル。みなさまお気づきでしょうか。実は、ラベルが表ではなく裏に貼ってあるのです。BULLET Inc.のアートディレクター、グラフィックデザイナーの小玉文さんからのご依頼で、瓶とジンを通してゆらゆらと見える、シール面が表紙になるラベルの印刷・加工をさせて頂きました。このラベルがどのように完成していったかをご紹介します。
「うらジン」という変わった名前には、以下のふたつの意味があります。
① Ùrar[uːrər]:ゲール語で「新鮮な、切りたての」という意味。
長崎県産の柑橘類「ゆうこう」や「ゆず」に様々なハーブをブレンドした複雑な味わいです。
②「裏」:日本語で「内側、裏側、反対側」という意味。
ガラス瓶の奥に映る揺れる景色を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
ジンの材料に含まれている長崎県産の柑橘類「ゆうこう」や「ゆず」に様々なハーブをブレンドした複雑な味わいを、黄色、オレンジ、緑など複数の色のグラデーションで表現しています。
立会い色校正では、瓶の厚さとジンによる光の屈折で色が変わって見えるので、瓶を通した状態で確認して頂きながら「ここはオレンジではなく柑橘のイメージ、レモンではなく柚子」といったイメージのすり合わせを繰り返して色を決めていきました。
商品の顔になる所にシール粘着加工を行う必要がありました。シール加工を担当してくれたタカクラ印刷さんと粘着の強さや粘着面積を網点で変える等のテストを行い、シールの粘着強度が保たれる最小限の塗布量と位置を決定。瓶とジン越しの表紙が美しく映えるようになりました。
シールの抜きは東北紙業社さんにお願いしました。瓶への貼りやすさを保ちながら、デザインの特徴である三角窓にシャープさを出すための型の設計に東北紙業社さんの経験が活きています。
最後は裏面のジュニパーベリーのイラスト金箔押しです。
箔押しはコスモテックさんにお願いしました。シール、抜き加工後に箔押しをすることで、加工の難易度は高くなります。しかし、前半の工程で箔押しを行うと、各工程で発生するヤレを見込んだ数量で作業を行う必要がありコストが高くなるため、最終工程にて行いました。このような判断は印刷・加工会社がそれぞれの仕事を理解し、いいものを作るために屈託なく意見交換できるチームでないとなかなかうまく行きません。
サンコーの設備で行えるのは印刷と一部の製本作業のみですが、お客様の「こんなものを作りたい」というおもいに一緒になって寄り添える心強いパートナーがたくさんいます。そんなチームが一丸となり、目を引くようなラベルが完成しました。
こちらも独特な仕様のカレンダーの制作秘話です。こちらもご一読ください。
印刷と加工が織りなす独創的なカレンダーの制作秘話
このジンが気になるという方はこちらから
https://www.urargin.com/
デザイン・ディレクション:BULLET Inc.
印刷:サンコー
シール加工:有限会社タカクラ印刷
抜き加工:株式会社東北紙業社
箔押し加工:有限会社コスモテック
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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