デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06墨田区に2020年に開学したiU情報経営イノベーション専門職大学(長すぎるので「iU」と書きます)は、ビジネスとITと英語を学ぶ新しい大学。専門職大学は一般の大学と違い、授業の一環として長期のインターンにいき、即戦力の知識を学べる学校だそうです。
開学と同時に入学した学生が来年には3年生となり、80日に渡るインターンに出ることになります。その受け入れ先企業へお送りするクリスマスカードを、サンコーで制作させて頂きました。ご相談を頂いたきっかけは、サンコーの削る年賀状。「こんなインパクトをあるクリスマスカードを送りたい」とのご依頼を受け、プロジェクトがスタートしました。
iUの学長である中村伊知哉先生は『在学中に全員が起業した結果として就職率0%の大学を目指す』というコンセプトを掲げられています。
当然集まる学生さんも大きな夢や野望を持った方ばかり。iUの方との打合せを通じて、「このクリスマスカードを受け取る企業さんには、元気な学生がインターンに行くまでの間ワクワクして待っていて欲しい。」というのが伝えたいメッセージだと決定しました。
サンコーの年賀状がご依頼を頂いたきっかけなので、年賀状をデザインしていただいたインクデザインの鈴木さんにiUのクリスマスカードのデザインもお願いすることにしました。iUさんのご要望をお伝えし、大学の雰囲気を知るために一緒に大学まで見学にいきました。
見学に伺ったのは、投資家に向けたピッチイベントが行われていました。学生が考えたビジネスプランをプレゼンし、投資家が事業の良し悪しを判断していきます。ここで事業化が決まると、大学は事業のための場所などを提供してくれるそうです。このイベントでのやり取りが凄いのです。「この事業の競争優位性はどこにあるのか?」「事業を通じてあなたは社会にどんな価値を提供できるのか?」そんな、ベテランビジネスマンでもアタフタしてしまうような質問が次々に出て、学生が必至に考え答えていきます。緊張感ある真剣勝負を目の当たりにし、「こんな授業を学生の時に受けたかった・・・」と見学にいったおじさん二人して思いました。
そして、こんな尖った大学で学んだ学生がインターンに来たら、受入れた企業さんは絶対に驚く。そして会社の中に大きな風穴があく。それを伝えるクリスマスカードにしよう。
こんな風にコンセプトが固まっていきました。
出来上がったクリスマスカードは「風穴あけろ」と文字が中心に配されています。その外側にはミシン目が入れてあり、文字通り風穴を開けることができます。
紙という媒体は、保存にはあまり適していません。このようなクリスマスカードは特に長期間保存されることは稀でしょう。でも、風穴をあけるという体験は、そのメッセージと共に受け取った人の心にずっと残る。そんなアナログな紙でしか実現できない価値を、最先端の学校のメッセージで表現してみました。
デザイン:インクデザイン合同会社
テキスト:インクデザイン合同会社
抜き加工:有限会社佐藤紙工
印刷:株式会社サンコー
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)