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カラー印刷に蛍光インキのせてみた。

公開日 2019.05.07   更新日 2024.01.23

前回の印刷実験室vol.4では、CMYKを蛍光インキとマットブラックインキにかえて印刷してみたらどうなるか、という検証でした。結果は、蛍光インキは通常インキに比べて顔料が弱く、通常の印刷と同じように濃くするためには何度か重ねて印刷したり、蛍光色で印刷する面積を広くするなどの工夫で、表現方法に広がりが出てくるという内容でした。

さて、今回の印刷実験室では、CMYKの印刷と併用することで、通常表現できない鮮やかさや、色の深みをだせるかどうかを検証してみたいと思います。

まずはRGBとCMYKの違いについて

人が見ている色は、光の三原色と言われRGB(赤Red、緑Green、青Blue)で構成されています。混ぜ合わせるほどに色が白くなる「加法混色」で、主にテレビやパソコンのディスプレイに使われています。黒をベースに光を出して色を表していくイメージです。

対して印刷に使われる色の三原色は、CMY(シアンcyan・マゼンタmagenta・イエローyellow)で構成されており、混ぜ合わせるほどに色が黒く濁っていく「減法混色」です。白をベースに色を重ね合わせて表していくイメージです。

表現できる色の範囲はRGBの方が広く、CMYKでは一定の色域をこえると再現ができません。それを画像調整であたかも再現出来ているように見せるのもサンコーの得意技ですが、それはまた別の機会に。

最近のインクジェットプリンタでは、CMYKの他に鮮やかな色を何色か追加して、RGBに近い発色を実現しています。今回はそのインクジェットのような色域にオフセット印刷のCMYKインキと、蛍光・マットブラックインキで、どこまで迫れるか実験してみます。

それでは実験開始!

蛍光イエローはY版、蛍光ピンクはM版、蛍光ミドリはC版、マットブラックはスミ版を使い、CMYKで先に印刷したものに、さらに追加で刷ってみます。

まずは全ての元になるCMYKのみで印刷したものがこちら

Y版に印刷する蛍光イエローの色味はこちら

M版に印刷する蛍光ピンクの色味はこちら

C版に印刷する蛍光緑の色味はこちら

スミ版に印刷するマットブラックの色味はこちら・・・

スミマセン、写真撮り忘れました。

同じ絵柄で様々な蛍光インキの見え方を比較するという事は、めったにありません。過去25年サンコーに勤めて来ましたが、初めての経験!入社2週間の新入社員と一緒になってどんな仕上がりになるか妄想中。

考えてもしょうがない。とりあえずやってみよう!

CMYK+蛍光ピンク

鳥居の色は赤味が引き立ちかなり濃度がアップしている。蛍光ピンクを使ったため、濁りを抑えながら濃くすることができています。

CMYK+蛍光イエロー

鳥居の色は、CMYKで表現する朱色特有の濁りが減り、彩度が上がっています。
反してカボチャの色は、全体に黄色味が増したが大きな変化なし。ここは意外でした。もう少し彩度が上がると予想していました。

CMYK+蛍光ミドリ

空と海は、ミドリの要素が追加されたので色相がかわっていますが、陸地の葉は、一見ミスマッチにみえて、緑は鮮やかさが増しています。

CMYK+マットブラック

黒い部分がより一層深くなり、キャンドル、カボチャの色とのコントラストがでて、鳥居の影も濃くなって立体感、全体の印象が強くなりました。予想に反してマット感はあまりでていませんでした。

盛り上がってきたので印刷実験室延長戦突入!

当初の予定ではここで終了する予定でしたが、ブログ撮影チームの他、社員がたくさん集まってきて、実験結果をのぞき込んで話をしています。せっかくなので、蛍光色複数を刷った場合もテストしてみよう!という事になりました。通常、追加する色は1色が大半で、2色使う事自体も非常に稀です。さらにその上をいく3色は我々も未知の領域。どんな仕上がりになるでしょうか。

CMYK+蛍光ピンク+蛍光イエロー+蛍光ミドリ

豪華蛍光3色!空と海の色:色のインキのパーセントは増えているのに、蛍光ミドリだけを追加したときよりも、落ち着いた色になりました。これは他の蛍光色が入ることでミドリの要素が抑えられたことで起こりました。この逆もあります。例えばもう少し青みを強くしたいが、もうこれ以上インキを盛ったり、データ上で修正することができない。そう言った場合、イエローとマゼンタを落として際立たせることで濃くなったように感じる場合もあるのです。

CMYK+全部乗せ(蛍光ミドリ、イエロー、ピンク、マットブラック)

全部の色が主張しあい、強烈なインパクトです!通常の印刷でここまでやるとコスト面に優しくはありませんので、いきなりおすすめはしません。もしご検討であれば、一回サンコーにいらして、この印刷実験の現物をみてからご一考頂くことをお勧めします。

表現できる色の組み合わせは無限大

今回は、CMYKと同じ版を使いました。それぞれ長所・短所が判る結果になっています。例えば山や海や花など強調したい部分のみを蛍光インキで表現してみることもできるので表現できる色の組み合わせは無限大にあると思います。
このブログを元に「こんなことやったみたい」というアイデアがありましたら是非ご相談ください。実験室で行った印刷物は全て保管しておりますので見学も大歓迎です。
サンコーは、お客様の思いをカタチにする為に、とことんお付き合い致します。

最後にクイズです。

実はこの後、さらに別の色でも試して見ました。
これはカラーに〇〇色をのせて刷ってみました。何色でしょう?

KY

 

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蛍光インキを使用したその他の事例「蛍光インキの2度刷りって??

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