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オフセット印刷の色のあれこれ | 紙と印刷とラジオ 第34回

公開日 2021.03.31   更新日 2023.10.23

3月30日、5週目がやってきました。月の第1週目ゲストの回を楽しみにラジオを行う有薗と西谷さんなので、今回のことよりも来週を楽しみにしているようです。今回も聴いてくださり有難うございます。
平和紙業さんが運営しているペーパーボイス東京では、4/14から「写真箱」という展示会を開催予定です。泰成紙器さんと作り上げる箱に写真を印刷して行く企画です。ぜひお越しください。

今回はオフセット印刷の周りに浮かぶ話題について語ります。

UVオフセット印刷機とオフセット印刷機

UVオフセット印刷機とは、油性のインキを自然乾燥させる従来のオフセット印刷機とは違い、特殊なインキで印刷した紙面に紫外線を当てることで瞬時にインキを完成させる印刷機です。従来の油性の印刷機の場合、両面印刷は片面につき1日乾燥時間を取り、そのあと断裁しますが、UVオフセット印刷機についてはUVランプを当てればインキがその場で硬化するので、印刷した段階で断裁を始めることができます。印刷工程が短くなることが大きなメリットです。

仕上がりの違い

どちらもオフセット印刷ですが違いは見分けられるのか。
サンコーは油性インキを使う従来のオフセット印刷機のみ取り扱っているため、詳しいことは説明できませんが、以前に同じデータで刷り比べをしたところ見た目はほとんど同じでした。しかしUVオフセット印刷機を開発している会社さんはよく「油性の仕上がりにこれだけ近づけられました」という説明をされているので油性インキの仕上がりが基準となってUVオフセット印刷は開発されているようです。

少しだけ分かる違いとしては従来のオフセット印刷はオイル臭がする工場、UVオフセット印刷はプラスチックのような臭いがする工場から印刷物が納品されるため、刷りたてはインキの臭いで見分けられるかもしれません。

RGBとCMYK、感覚と印刷物の色味の違い

西谷さんは仕事中、「RGBデータ」や「CMYKデータ」という言葉をデザイナーさんや紙を求めるお客さんとのやり取りで耳にしているそうです。写真やデザインデータを印刷する際に、印刷会社の社員がお客さんとその言葉を使って実際の印刷について調整の話をすることがあります。

RGBとCMYK

印刷物はデータで初めは作られるのでRGB(光の三原色)で色味を確認していることがほとんどです。一方印刷物はCMYK(色の三原色)なのでRGBと比べて表現できる色の範囲が狭くなります。その現象により、色がくすんでしまったり、データとは違う色味になったりしてしまうことがあります。

RGB、CMYKの違いについての説明はこちら
入稿前にRGBとCMYKを変換する方法はこちら

感覚の色味に調整する?

サンコーのTwitter(X)では毎朝、空の色をCMYKで「今日のソライロ」とつぶやいています。(Twitter上では空は画像化されているため、RGBの空の色をCMYKでつぶやいている状態ですが。)晴天の空の色は一見青く見えますが、実は町中にある真っ青な看板などと見比べてみるとわかるように、少し赤い色味が入った青です。青空を印刷する場合そのまま素直に出力してしまうと、紙の上では紫色っぽい空になってしまいます。
印刷ではそのような物理上の色と感覚上の色を照らし合わせながら、心で見ている色味や伝えたい色味に調整を掛けて印刷をするのです。

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