デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06今回は西谷さんがコロナワクチンの副反応でお休み。急遽、ディレクターK氏が代役として登場し、印刷や紙加工を依頼するときに見落としがちな予備について語りました。
紙の発注は基本的に「包み」で発注します。紙の厚みにもよって1包みの枚数が決まりますが、仮に250枚梱包を1包み発注すると、これは全判での枚数のため、菊四裁に断裁すると4倍の1,000枚で入荷します。印刷(実数)400枚、予備500枚の印刷物だと、最小の梱包数で発注してもだと100枚余ってしまいます。
印刷では4つの行程で予備が必要です。1.色出し(印刷の最初に濃度が高まるまで)、2.見当合わせ(4版の位置合わせ)、3.色調整(色の微調整)、4.ヤレ(印刷途中で発生する不良)
特色では「色調整」で必要になる枚数は増えがちですし、印刷枚数(通し)が増えるとヤレが増えることで予備もたくさん必要になります。
※サンコー印刷部の職人からのお願いです。『極端に薄い紙、極端に厚い紙、総ベタ(全面ベタ)は予備を多く下さい!』
仮に同じサイズ・ページ数の中綴じであっても、紙による違いや印刷箇所の違いによって紙の滑り方が違い、精度を高めるためにはセッティングで予備が必要となりますし、作業中のヤレも発生します。製本会社さんからのコメントによると普通の簡単な中綴じであっても断裁では0枚、折りで20~50枚、中綴じで20~50枚、作業中の不良等で1~2%の予備が必要になるそうです。
抜き加工も4つの工程で予備が必要になります。
1.見当合わせ(印刷された場所を正確に抜くための位置合わせ)、2.ムラ取り(切れる所と切れない所を確認・調整する作業)、3.ヤレ、4.検品(箱などは実際に作ってみて確認する)
抜き加工での予備は「印刷の色が合っていないもの(ヤレ)」でも、色を見ているのではなく、抜きを見ているため大丈夫。というのは意外な発見でした。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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