トップ グラデーションが綺麗に出ない理由。トーンジャンプ解消法

グラデーションが綺麗に出ない理由。トーンジャンプ解消法

公開日 2024.03.15   更新日 2025.04.04

トーンジャンプという言葉をご存知でしょうか?グラデーションがモニター通りにきれいに印刷できない原因はこのトーンジャンプです。このブログではトーンジャンプとは何か?そしてどうやったらトーンジャンプを回避してきれいなグラデーションを印刷で再現できるかをご紹介しています。

トーンジャンプとは?

トーンジャンプとは、グラデーションの印刷で、本来なら色が段階的に変化するはずの部分で急激な色の差が生まれる現象です。主に以下の3つの原因で発生します。

オフセット印刷の網点形状

オフセット印刷では、グラデーションデータを印刷用に変換する際、連続したパーセントが形状を変えます。この変化によって、トーンジャンプが発生しやすくなります。特に写真などでは、どこでトーンジャンプが起こるかを予測するのが難しいことがあります。

画面での見え方と印刷物の違い

画面上ではグラデーションが滑らかに見えても、印刷時に段差が出てしまうことがあります。特に、短い距離で急激に色が変わるグラデーションでは、トーンジャンプが発生しやすくなります。

画面上のグラデーション画面上のグラデーション グラデーション印刷シミュレーション上のグラデーションデータの印刷シミュレーション。画面だとわかりにくいかもしれませんが、段差があるように見えるのがわかるでしょうか。

グラデーションの急激な変化

長い距離のグラデーションは色はなだらかに変化します。短い距離でグラデーションを作ると色の変化が急になり、トーンジャンプが起きやすくなります。

トーンジャンプ比較Aは左が0%から100%のグラデーション。Bは、Aの半分の長さで0%から100%で変化するグラデーションです。変化が急になり、さらにトーンジャンプが目立つようになります。

 

極端な色調補正

コントラストや明度、彩度を極端に上げすぎると、トーンジャンプが発生する原因になります。Photoshopでヒストグラムを確認すると、極端な補正がトーンジャンプを引き起こすことがわかります。

ヒストグラム比較左が普通のグラデーションで、右がトーンジャンプが起こり易いグラデーション 色調補正前写真色調補正前写真 コントラストを極端に上げた写真。コントラストを極端に上げた写真。

トーンジャンプ解消の方法

トーンジャンプを回避するための対策をデータ作成段階で施すことが可能です。信頼できる印刷会社と相談しながら、適切な方法を見つけましょう。

あえて「ぼかす」

グラデーション部分をぼかすことで、境界線が曖昧になり、滑らかな色の変化を実現できます。これにより、トーンジャンプを軽減できます。

 Photoshopでグラデーション作成

同じグラデーションでも、Photoshopで作成した方が滑らかな仕上がりになります。Photoshopにはぼかし機能もあり、より自然なグラデーションを作成できます。。

網点の形状を変更

オフセット印刷では網点を使用していますが、網点の形状をAMスクリーンからFMスクリーンに変更することで、トーンジャンプの回避が可能です。FMスクリーンは滑らかな階調を表現できるため、トーンジャンプを抑えるのに効果的です。

AMスクリーン

規則的な網点の大きさで濃淡を表現します。安定性とコスト面で優れていますが、網点が目立ちやすく階調表現に制限がでてきます。

FMスクリーン

ランダムな網点の密度で濃淡を表現します。網点が目立ちにくく滑らかな階調表現が可能ですが、同じ条件でも増刷時に色が変わるといった品質管理面と、コスト面に課題があります。

表紙全面で夕日が海に沈むオレンジから紺に変わるマジックアワーを表現するグラデーションや、ロゴマークの様な限られたサイズの中で使われるグラデーション等、使われる場所や画像の種類によって美しく印刷する方法は様々です。印刷会社はノウハウを持っていますので、信頼できる会社があれば相談してみて下さい。

こんなグラデーションの表現方法もあります。

一枚一枚違う!とても自然なグラデーションを実現した内容をブログにしています。
アナログ印刷でバリアブル印刷みたいに印刷してみた
1枚1枚異なるグラデーションをオフセット印刷機で表現
世界で1枚だけの年賀状

実はこの方法は、サンコーの印刷実験室から偶然生み出した方法なんです。
印刷実験室とは?こちらからご覧頂けます。

まとめ

トーンジャンプは、適切なグラデーション作成と印刷技術で回避できます。デザイン段階で適切な調整を行い、信頼できる印刷会社と協力して、理想的な仕上がりを目指しましょう。フォームでやり取りする時間が無い。

営業マンに直接相談したいという方はこちら→営業マンとのネットミーティングに直接日時予約

03-5534-5731
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)

© SANKO