デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.064月に入り新たに紙業界、印刷業界、デザイン業界で働いたり学んだりする人に向けて、今日から数回は基礎的な内容を取り上げていきます。まず最初はファンシーペーパーと一般印刷用紙の違いについて語りました。
紙には大きく分けて新聞巻取紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙の5種類があります。その中で、印刷・情報用紙が紙の生産合計の6割を占め、非塗工紙、塗工紙、微塗工紙などが入ります。コート紙、マットコート紙、上質紙、中質紙、書籍本文用紙などと言えばわかりやすいかもしれません。それに対して、ファンシーペーパーは「印刷・情報用紙」の中の、「特殊印刷用紙」の中の「その他特殊印刷用紙」の更にその中の「その他特殊印刷用紙」に分類されています。製図用紙、小切手などと同じ分類に入れられています。
とにかくファンシーペーパーは高いです。平和紙業さんのラインナップの中でも比較的お安めなグラディアCoC、ガルバスCoCといった印刷用紙であってもコート紙と比べると2倍弱します。Mr.B、ミセスBなどは4倍程度!さらに、色紙になると色によってはキロ単価1000円を超えるものもあり、キロ単価150円~200円の一般印刷用紙とは大きく異なります。
ファンシーペーパーは、色、柄、風合いが特徴的なため、仕上がった印刷物やパッケージには視覚、触覚による効果が大きく表れます。その結果、高級感や他の商品との差別化を実現できます。そのため、書籍や図録を例にするとファンシーペーパーはカバーや表紙、見返しなどに多く使われます。
ファンシーペーパーは一般紙と比べて値段が高いです。であれば印刷がしやすくて、きれいに仕上がるのかと言えば、実はそんなことはありません。むしろファンシーペーパーの方が、その特徴的な手触りや質感のために、印刷が難しかったりします。どんなところが難しいかは、また別の機会に。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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