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デジタル印刷と紙の関係 | 紙と印刷とラジオ 第122回

公開日 2023.02.01   更新日 2023.05.17

コロナも落ち着いてきて個展やグループ展の開催を考えている方も増えています。そのような展覧会ではオフセット印刷を回すほどのロットにならないことも多くあります。そんなときに活躍するデジタル印刷機と紙の関係について、西谷さんにお話しを伺いました。

極少部数で自分で印刷する場合

まずは家庭用のインクジェットプリンターを使うことになると思います。インクジェット専用紙ではない紙に印刷する際に気をつけなければいけないのは、滲みと乾きです。滲みは専用紙ではなくても、テストしてみたら意外ときれいに出たというケースもありますが、乾きに関しては塗工材が塗布されている紙との相性はよくありません。Mr.B、ミセスBといった微塗工紙も同様です。また紙の繊維の中にインクが入っていかないトレーシングペーパーやグラシン紙、キャストコート、金銀パール系の紙もまったく乾かないので注意が必要です。
レーザープリンター(トナー方式)で気にしないと行けないのは紙肌。凹凸の激しいエンボス紙やラフ肌の紙はトナーが乗らなくて、紙の地、模様に影響してムラが起きることがあると言います。また、印刷時に高温の中を紙が通るため、熱に弱い紙、アルミ蒸着されていたり、貼っている紙なども不得意なことが多いようです。

印刷会社に依頼する場合

JETPRESSなどのデジタル印刷機は、オフセット印刷と同じように塗工紙、非塗工紙といった紙種の違いで、印刷再現性が変わって来るそうです。非塗工紙の方がインクが沈み、色もややくすみます。ただ、オフセットで印刷したときほどの大きな違いは出ないため、AプランやグラフィーCoCといったオフセット印刷ではドライダウンして色がくすんだり、浅くなってしまうような紙も、ジェットプレスでは比較的きれいに印刷することができるそうです。
Revoriaのようなトナー系の印刷機では、機械によってはシルバー、ゴールド、クリア(ニス)などが使えて多彩な表現が可能です。紙は金銀パール、半透明、PETフィルムなどにもきれいに印刷ができますが、エンボスの紙はあまり得意ではないようです。
そのほか、大判の展示作品を1枚だけ作る場合はフラットベッドのUVインクジェットプリンターの出番!生産性は低いですが、印刷再現性は非常に高く、金銀パール、ラフ肌、エンボス紙、和紙などどんな紙にも印刷が可能です。

小型ですが、サンコーのUVインクジェットプリンターと

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