デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06紙と印刷とラジオと言っておきながら、そもそも紙の定義についてきちんとお話ししていなかったので「これも紙?」というテーマで語りました。
日本工業規格(JIS)によると『植物その他の繊維を膠着(こうちゃく)させて製造したもの。なお、広義には、素材として合成高分子を用いて製造した合成紙のほか、繊維状無機材料を配合した紙も含む』とあります。 簡単にいえば『繊維を水中でバラバラにして、薄く平らにして、脱水・乾燥してできたもの』が紙です。
更に、紙を広げて捉えると印刷用紙と同様にシート状・ロール状になっていて、印刷機や加工機で紙と同様に扱える素材も、紙の流通で扱っていることがあります。例えば、透明PET素材「OZK」は平和紙業さんで扱われていて、サイズは545×788㎜のB規格と、635×920、636×470㎜のA規格に近いサイズがあります。オフセットUV印刷ができて、本のカバーなどに使用されています。
辞書、教科書、手帳や上製本の表紙などで良く使われる素材として紙クロス、布クロスがあります。これらは一見すると革っぽかったり、合成樹脂っぽい素材感ですがこれも紙屋さんで扱っています。紙クロスはベースが紙で、樹脂などを塗工・含浸し強度をもたせた素材。4/6判に近いサイズ展開が多いのが特徴です。布クロスはベースが布でロールが多いです。
布は繊維を糸状にして織ったり編んだりして作られますが、不織布は繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものをいいます。不織布は「乾式」「湿式」2つの製造方法があり、湿式不織布は紙漉きの方法と一緒で、水と繊維を混ぜ合わせて網状の上に漉き上げ、圧縮や熱などで脱水して作られ、紙と同じような風合いになります。乾式不織布は接着剤や熱によって結合させて作るそうです。
・ウーペ:紙、不織布ベースに植毛加工
・コルクシート:コルクをスライスしたもの
一方で、トレーシングペーパーは透過性があったり、紙とは少し違うシャリシャリとした質感のため、樹脂が混ざっていると思われることがありますが、こちらは紙だそうです。グラシン紙も同様です。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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