デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06今年もバレンタインシーズンがやってきました。『バレンタインパッケージトーク。バレンタイン会場は紙、印刷加工の見本市や~』と題して、毎年出演頂いている泰清紙器製作所の佐々木響子さんにお越しいただき、2024年のバレンタインパッケージについて語りました。放送前日に紙谷刷太郎がX(旧Twitter)に松屋銀座のバレンタイ売り場から投稿した内容が劇的にバズっている状態で迎えた本番。放送中にもリツイートが止まらない状態でした。
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ゲストの佐々木さんが勤める泰清紙器製作所さんは、バレンタインチョコやジュエリーなどのパッケージで使われる貼り箱を作っている会社で、佐々木さんはパッケージの設計をされています。今年のバレンタインチョコに掛けた金額は、まだまだ徐の口と言いながらすでに3~4万円程度!毎年多くの売り場を回り、趣味と実益を兼ねてチョコレートを入手にされています。2021年の初登場から、22年、23年と毎年バレンタインパッケージについて西谷さんとトークを繰り広げています。
西谷さんは百貨店4軒、スーパー1軒を既に回ったそう。その中では、松屋銀座が客単価数千円のイートインに平日昼間から行列が出来ていたりして活気が凄かったと言います。コロナ禍では寂しい売り場でしたが、今年は対面でのやり取りが復活して、より商品のコンセプトやストーリーを打ち出していて全体として盛り上がっていました。佐々木さんも「とりあえず」新宿・池袋で4軒を回ったそうです。これからも銀座・渋谷もマストで回る予定とのことで、やはり盛り上がっていると感じたそうです。
佐々木さんが選んだのは、1mmの厚紙に穴をあけて積層したブボバルセロナ。ディレクターK氏は段ボールを積層したチョコガカリ(c7h8n4o2)をセレクトしました。チョコガカリのギフトボックスは、段ボールの中でも一番厚いA段ボールを積層しており、パーソナリティ一同「初めて目にした!」と驚きでした。目新しくてかわいらしくて、これから積層は流行るのではないか。という意見で一致しました。
台形を組み合わせたような印籠箱を作った獺祭。箱を開けたときにもきれいに止まるし、閉めたときの音も紙の箱と思えないほどにしっかりしています。3個入り・6個入りで箱の開く方向が変わるのも作り手泣かせで良くできていると佐々木さんはお気に入りの様子です。
この複雑な形は、糊付けをせずに抜き加工と内職だけで作られています。蓋を取り外して裏側から展開していくと、1枚の紙に戻ってしまいます。紙を立体にする仕事がメインの佐々木さん、ディレクターK氏は興奮する作りとなっています。
ブランドの特性上、生産数量が多いモロゾフですが、複雑な形状をした身蓋箱が目に留まります。生産性を担保しながらこのような形状を作る設計者の苦労が伺えます。
西谷さんによると、金銀パール系が相変わらず強いものの、インスタ映えを狙った印刷重視の箱も堅調で、さらに和菓子メーカーがチョコレート市場に算入するなど、ニーズの細分化が進んでいる。ただ、各社がそれぞれの方向性で力を入れて、盛り上がっているとのこと。
一方で世の中でエコが盛り上がるほど、バレンタインパッケージではそこまで盛り上がってはいないと佐々木さんは語ります。この辺は、日本とヨーロッパ―とではバレンタインパッケージに求める感覚が違うのかもしれません。
そう語る二人に対して、有薗は日本のセレクトショップが段ボールのパッケージを使ったことは大きな一歩ではないか。これをきっかけに大きな変化が起きるのではないか。と予測していました。
複雑な加工やエコといった新しいトレンドもありつつ、来年はどんなバレンタインパッケージが出てくるのか。来年も西谷さんと佐々木さんの爆買いは続くでしょう。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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