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オフセット印刷で箔押しの銅色にどこまで近づけるかやってみた印刷見本帳 〜完成〜 | 紙と印刷とラジオ 第26回

公開日 2021.01.27   更新日 2023.07.14

貼箱を製作する泰清紙器製作所さんと平和紙業さんとのコラボレーションで始まった展示「新しい箱展」。紙と印刷とラジオに習い、西谷さんがツイキャスで告知配信を実施しました。ラジオとは違い動画と音声両方を一人で行うため、ディレクターK氏の名前を心の中で何度も叫んだようです。
さて、ディレクターK氏から本題に入るよう指示がありました。
今回は最近Twitterにできましたハッシュタグ「#オフの箔越え」についてのご報告です。

この実験がはじまった経緯

去年8月に「印刷では金属の質感を表現するのが難しい」「粒子っぽい仕上がりになってしまい、箔押ししたような滑らかな表面が作れない」というご相談から、この企画は立ち上がりました。第7回ではサンコーの職人も呼んで色々と方法を検討し、紆余曲折を経て印刷までこぎつけ、ようやく今、梱包を終えました。
色々試しては時間がかかった
オフの箔越えは紙との相性、インキの選択、刷り方など様々な問題に直面しました。

紙の選定

紙はコート紙の質感を基準とし、印刷の再現性が高い「エアラス」、表面がツルツルとした「エスプリC」、プラチナスノーというゴールド寄りの色味のラメが入った「新シェルリンN」、絞まった紙の目でインキの乗り具合が期待できる「ケンラン」の5種類を使いました。それぞれ異なった角度から銅色に近づけそうな特徴を持った紙です。
インキの選定と印刷方法
インキの色ですが、まず下地に何を引いたら銅に近づけるのかを考え、CMYK全てと彩度の高い色でも違いを比較するため蛍光インキをそれぞれ1色ずつ下地に使いました。上に乗せるメタリック系のインキもLR輝の中から2種類を1度刷りと2度刷りに分けて比較、光沢を期待しマットニスとグロスニスも試しました。

令和の10円玉には届かなかったが…

令和3年発行の真新しい10円玉の輝きに近づけようとはじめたオフの箔越えでしたが、残念ながら結果は平成28年あたりの硬貨。印刷機を4回通すため、コストも箔押しで銅色を作るよりはるかに高くなりそう・・・。。しかし、光沢のある紙よりもザラザラとした紙の方が銅の質感が出た、グロスニスを塗ると輝度が上がると思っていたが下がってしまうなど想定とは違う印刷の仕上がりになり新たな発見がありました。

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