トップスピードと精密さの両立

スピードと精密さの両立

2018.05.10

サンコーには2台のオフセット印刷機があります。そのうちの1台KOMORI SPICA26Pをメンテナンスしました。

この機械、見た目は通常の4色機なのですが、表面2色を刷った後に紙を反転させて裏面2色を刷ることができる、「反転機」と呼ばれるちょっと特殊な機械なんです。この機械は、片面2色までの両面印刷や特色印刷をメインに担当していますが、もう1台の4色をメインに刷っているLITHRON426がフル稼働のときには、4色印刷も引き受ける大活躍の機械です。

爪の交換?

今回はこの機械の爪を交換・調整しました。これが印刷機の爪です。

写真中央の銀色の部分が爪です。ここで紙を掴んで引っ張ります。写真の右から左方向に紙を掴んで送ります。爪の左上に見える青い円筒状の部品はブランケットです。版についたインキは、ブランケットに写し取られ、ブランケットと同じ速度で動いている紙が重なりあうことで、ブランケットから紙にインキが転写されます。
印刷機の仕組みに関する詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。http://www.kimoto-sbd.co.jp/original/study/offset.html

爪が劣化することで、印刷する紙をしっかりとつかめない。という事態が発生していました。

爪が劣化するとどうなるか?

ここに1枚の印刷物があります。お客様の原稿なので、一部分だけ切り取っています。

この印刷物の中央にある雪の部分を拡大してみると。

ふつうはこのようにCMYKのインキが規則正しい網点に並んでいます。雪なので、ほとんど白で、シアンが少しとマゼンタがほんの少し並んでいます。
これが、シアン(青)インキを刷っているときに爪が微妙に滑ることで、ブランケットの動きに追随できず、


こんな風に網点と網点が繋がってしまったのです。濃いシアンの網点の隣に、紙がずれたことで薄いシアンの網点が出来てしまいました。結果として、正常に印刷できた印刷物に比べるとシアンの網点の数が増えてしまい、雪が若干青っぽく仕上がってしまっていました。これが数十枚に一枚起きるようになってしまい、今回のメンテナンスを実施することになりました。

顕微鏡レベルのズレが許されない印刷物

この写真は、20倍のミニ顕微鏡を使って撮影しています。網点のサイズは1インチ(2.54センチ)の間に175個並ぶほどの小ささです(1ミリの間に6個以上!)。1時間1万回転で回っている印刷機は、1秒間に2.8枚の紙を掴んだり離したりしたりしています。そのスピードで0.1mmとか0.2mmというレベルで紙がずれてしまうだけで、印刷物として成立しなくなってしまうなんて、オフセット印刷に求められる精度の高さを再認識したメンテナンスでした。

 

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