
デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06日頃お世話になっている取引先への感謝を伝えるため、特別なグリーティングカードを制作したいというご相談をいただきました。紙の選定から印刷・加工方法まで細かく検討し、こだわり抜いた一枚が完成しました。
このカードの最大のポイントは、年末のホリデー期間及び2025年への年越しに伴い、ヘビが数字の25の形になっている事。表面をめくるとカラフルなヘビに“脱皮”し、箔押しのメッセージが現れるという仕掛けです。受け取った方が驚き、楽しめるようにとの思いが詰まっています
使用紙:非塗工紙「ルミネッセンスマキシマムホワイト」
印刷:シルバーとスミの2色印刷
通常、印刷面を保護するために使用するニスを印刷前に施すことで、インキの吸収を抑制。これにより、輝度の高いシルバー(LR輝シルバー)が鮮やかに発色するよう調整しました。
使用紙:マットな質感の「サテン金藤」
印刷:通常のカラー印刷
光沢感を活かすため、シルバー印刷の上にカラーを重ねる方法と、通常のカラー印刷を比較テスト。その結果、色の再現性が良い通常のカラー印刷を採用しました。
使用紙:非塗工紙「ルミネッセンスマキシマムホワイト」
印刷:シルバーの背景デザイン
シルバーの見え方を調整するため、データの網点を変えた4パターンを試作し、最適なものを選定しました。
粘着の強さは重要なポイントです。強すぎるとめくる際に色が剥がれてしまい、逆に弱すぎると配送中に勝手にめくれてしまう可能性があります。そのため、粘着の強度が異なるダミーを作成し、テストを重ねながら最適な粘着具合を調整しました。
また、カードが届いた方が剥がしやすくなるように、蛇の舌の部分だけは糊を付けずに逃がしています。
このカードの構造は、実は 4層 で成り立っています。
1枚目だけが剥がれる仕様で、2枚目以降はしっかりと貼り合わせて一枚の厚いカードとして仕上げています。この工程では、印刷、粘着加工、抜き加工など複数の技術が組み合わさるため、それぞれの工程を綿密に連携させることが求められました。箔押しはコスモテックさん、粘着加工はタカクラ印刷さん、それぞれの職人さんとの連携は東北紙業社さんが中心となり、細かな調整を行いながら完成へと導いてくださいました。
今後も、お客様のご要望に合わせた 特別な一枚 を形にするお手伝いをさせていただきます!
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
03-5534-5731
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)