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2023.10.06カテゴリ :
デザイナーやイラストレーターの皆さん、画面上での鮮やかな色彩を紙にそのまま再現したいと考えたことはありませんか?今回は、RGB印刷に焦点を当て、その魅力と実現方法を紹介します。
RGB印刷といってもR(レッド)G(グリーン)、B(ブルー)の光の3原色で印刷するわけではありません。CMYKを主体に、様々な方法でモニターの明るさに近づける印刷方法を各社がRGB印刷と名付けています。このブログでは、RGB印刷で使われる印刷機や印刷方法について、代表的なものをご紹介します。それぞれ得意なロットや紙があるので、最適な方法を選択する参考にしてくださいね。
ロットが小さい印刷物に適した印刷機から、大ロットの印刷機まで並べてみました。
家庭用のインクジェット印刷機と同じように、印刷会社にあるインクジェット機もCMYKに加えてライトシアン、ライトマゼンタなどのインクを備えており、明るい色調を再現することが可能です。また大判サイズの出力も得意。ただし1枚ずつ印刷するため、大きなロットには適しません。また紙の選択肢も多くありません。アートワークやポスターなどの印刷に向いています。
UVインクジェット印刷機なら、ファンシーペーパーなど様々な紙や、アクリルなどの素材を選ばずに印刷することができます。
カラーコピーと同じように粉体トナーを使った印刷機をオンデマンド印刷機と呼びます。その中で、コニカミノルタジャパンのAccurioPress C84hcなどの機械は、より鮮やかな4色トナーを使うことで、RGBの色彩を表現します。
サイズがA3サイズまでと限られてしまいますが、1枚から安価に出力できることが特徴です。
この10年くらいで出てきた印刷機で、版を作らず1枚から印刷出来るにも関わらず、オフセット印刷に迫る生産性を持った印刷機をデジタル印刷機と呼ぶことがあります。使われているインクがオフセットのCMYKよりも明るかったり、6色などの多色刷りができる機械があるため、RGB印刷の主力はこのデジタル印刷機が担っています。
HPのIndhigo15Kなどが該当します。7色のインクを使うことで、通常のオフセット印刷よりも広い色域での表現をB2サイズまで可能にしています。デメリットは紙の選択肢がオフセット印刷よりも限られることとコストでしょうか。
富士フイルムのJet Press 750Sなどが該当します。もともと使われているインクの色域が広いために、4色でも鮮やかな仕上がりが可能です。こちらもサイズはB2まで。デメリットはIndigoと似たような感じです。
通常のカラー印刷で使われるCMYKの4色に加えてR(レッド)G(グリーン)、B(ブルー)の3色を足した合計7色のインキを使って印刷するハイファイ印刷や、CMYKにオレンジとグリーンの2色を加えるヘキサクローム印刷などがあります。どちらもCMYKの色域外の色も再現でき、オフセット印刷だから紙の選択肢も広く、サイズもキク全判など一般的なオフセット印刷と同じで大ロットにも対応可能です。
CMYKのインキを東洋インキのカレイドインキという色が鮮やかなインキに変えることで、通常のオフセット印刷機を使って比較的安価に鮮やかな色味を再現することができます。用紙やサイズなどは多色の場合と同じで、より多くの印刷会社が対応可能です。
カレイドインキで印刷した日本大学理工学部建築学科のパンフレットはこちら
RGB印刷と言っても、これだけ多くの選択肢があります。表現したいデザインや紙質、ロットに合わせて、どの印刷機・どの印刷方法を選ぶのが良いか、経験豊富な印刷会社さんと良く相談して決めることが大切です。
また、データ入稿においては、CMYKではなくRGBデータでの入稿を指定していることが多いから注意してくださいね。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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