トップ 紙と印刷と梅雨 | 紙と印刷とラジオ 第40回

紙と印刷と梅雨 | 紙と印刷とラジオ 第40回

公開日 2021.05.19   更新日 2024.05.16

今回からラジオのスタジオは場所を改装。もし響いて聴こえないなどありましたら教えてください。

もう関東の隣まで梅雨が来ています。今年は夏の時期が長くなりそうです。今回は梅雨から夏にかけての紙や印刷、加工について語りました。

紙と梅雨

紙は乾燥しているように見えますが、常に5%前後の水分が含まれています。その水分が湿度の具合によって紙から出たり入ったりしているのです。
また、紙は均等に水分を吸うことが出来れば平らなままですが、部分的に吸収してしまい、
波打ってしまっている紙をよく見かけますね。
それは紙の繊維の密度が関係しています。密度が低くフカフカな紙は、側面から水を吸い込みやすいです。また、紙は一見繊維が均等に見えますが、光にかざしてみてみるとわかるように、ムラが必ずどこかにあります。もともと低密度かつ繊維が集中していない部分は水分を多く吸い取るため、紙の中で波ができます。

印刷と梅雨

印刷では、湿気がある梅雨時期よりも乾燥している冬場の方がトラブルが起きがちです。乾燥している時期は静電気が発生し、紙が2枚ついてきてしまうようなことが起こるため、工場内にほどほどに湿気を保つことが必要です。
職人が体感で工場内の湿度を管理するのと同時に、印刷で使う水分量も調整していきます。
オフセット印刷の版は油と水が分離する原理を利用して作られます。油がついて水をはじいた部分にインクが付くようになっているのです。そのため微量に水分がついています。
また、カラー印刷はCMYKの4色を別々に刷っていくため、それぞれの版に水分が付いていることになります。なので4回水分が付くタイミングがあり、紙が伸び縮みするので、両面印刷の場合は片面が終わって乾燥してから印刷すると位置がずれることも。

外気に合わせた調整を紙や印刷は細かくしています。

03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)

© SANKO