デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06さて、連休明け2週間ぶりのラジオで「ゆるゆると」語れない西谷さんと、人間ドックでバリウム検査をしてお腹の調子に自身がない有薗でお送り致します。
今回のゲストは宇宙人からの手紙の作者である西谷浩太郎さんと、デザイナーの安藤次朗さんがゲスト。いつもは話しを伺う立場の西谷さんが、作家としてゲストトークに参加です。
安藤次朗さんは、岡山県岡山市出身のデザイナーです。多摩美術大学卒業後、デザイン会社勤務を経て2012年に独立。グラフィックデザインやディクションのお仕事を中心に活動されてきましたが、最近は酒造メーカーのブランディングでお酒ラベル、飲食店の開店をデザイン面でサポートしながら、断片小説など普段の仕事とは別でライブワーク活動もされています。
西谷さんの描く宇宙人は約10年前から生まれました。夜遅くに家に帰ってもまだまだ寝床に行かない娘さんに向けて、「早く寝ないと宇宙人がやってくるよ」というメッセージを込めて宇宙人からの手紙を描き始め、ことあるごとに娘さんの近くに忍び寄る宇宙人を作り上げて行ったそうです。それをInstagramで細々と載せていたところ、安藤さんがアカウントを発見しました。子どもへのゆがんだ愛情表現やイラストと文章の構成などをとても面白いと思い、何かしらの形でまとめないかと西谷さんに声を掛け、2019年のアートブックフェアに向けて宇宙人を自費出版し今年6月に宇宙人第2種の出版に向けて初となる個展を開催刷るまでになりました。
1冊目の見た目は天のり加工になっていてメモ帳のような形、本の底が真っ赤で宇宙人がイラストの中で着ている衣装と同じ色になっています。今回の「宇宙人2」はウーペという布のような紙に熱を使用した表紙を開くと箔押しと空押しがされているページが出てきます。絵本のページは蛇腹に綴られています。
絵のサイズを引き延ばしたり圧縮したりせず原画通りのサイズでの製本を西谷さんは希望しました。10センチ×10センチの本のサイズは小林断裁の5センチメモから生まれたサイズだそう。メモを切る作業が楽しくて切っていたら切った紙が溜まってしまい、こんなに沢山メモは取らないなと悩んで半分くらいを宇宙人の手紙を描くのに使っていたんだそうです。
製本するにあたって、普段手軽に描いていた宇宙人を製本の流れの中でより多く描くことになった西谷さんですが、全然手が進まなくなることもあったそうです。
安藤さんは、納得がいかなくても描いていれば抜けられると相談を受けるたびに自分の経験談を話していたそうです。また、西谷さんに声をかけるタイミングも宇宙人の手紙のためにと考えてコミュニケーションをしていたそう。
西谷さんの「宇宙人からの手紙」は思った以上に売れました。買ってくださった人はアジアの方が多いそうです。日本人のお客様は本を作った経緯を質問し、迷ってから買う人買わない人がいる中、中国人のお客様は手紙の内容も読めない中すぐに買って下さることが多く、国境を越えた大ヒットになりました。
表紙は紙の中で一番高価な紙、第2弾の製本は蛇腹折、その他細かな加工がふんだんに施された本を何としてでも売らなければと西谷さんは今までにない緊張を味わったそうです。
本の発売に合わせ、西谷さんの個展を6月3~5日の3日間行いました。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)