デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06今年も鬱陶しい梅雨の時期がやってきました。蒸し暑いこの時期、紙や印刷にはどんな影響が出るのかを語りました。
波打ちとは紙の側面から水分を吸収して紙の端部が伸びた結果として、全体が波打つことを指します。ラミネートされたワンプで包まれていれば湿度の影響は受けづらく起きないのですが、ラミネートされていないワンプで包装されていたり、包装無しで積まれた状態で湿度が高かいと波打ちが起きます。
上質、コート紙では波打ちはほとんど聞かないそうですが、エンボスが入っていたり、嵩高に作られていると起こりやすく、様々な条件が重なってクワエ尻側のシワに繋がるケースもあります。
一方、冬に乾燥が原因で起こるのがカール、おちょこ。水分が紙から放出されて、紙が縮むことで起きます。
印刷会社としては、湿度が高いよりも低い方が静電気によるトラブルがあり問題です。そのために印刷工場では一日中、昼も夜も加湿器が動いたままです。
また、印刷した後に紙が反ることで見当が合いにくくなるため、両面印刷で裏面(カエシ面)を刷るのはあまり日を空けなくないというのが現場の本音。また、狭い工場では外に紙を一時的に逃がしたりしますが、雨が降っているとそれが出来ないために、工場がパンパンになってしまうことも。
紙の伸びは思った以上に大きくて、トンボの線1本分くらいは表裏でずれることがあります。そうなると抜きや断裁に影響がでるため、仕上がりを良くするためには各工程の密な連携が必要です。
最近、リスナーの方からご質問のおたよりをたくさん頂きます。今回は印刷機の対応できる紙の厚さに関するご質問です。
Q)いつもラジオを楽しみにしています!質問があるのですが、オフセット印刷機の設定で厚い紙を印刷する設定にすると、普通の70kgなどの紙が印刷出来なくなるのは何故ですか?また逆に薄い紙を印刷している印刷機が厚紙が印刷出来ないのは何故ですか?教えて下さい。
A)印刷機紙を掴む爪の幅やブランケットと圧胴の隙間は、紙の厚さに合わせてある程度の調整をすることができます。しかし、厚紙から薄紙まで対応できるほどには調整幅が広くありません。例えばサンコーの印刷機では、ブランケットど圧胴の隙間は0.06mm~0.28mmまでしかなく、この隙間よりも薄い(厚い)と印刷出来ません。同じ印刷機に見えても、使われている部品が異なっていて、紙厚の対応幅が異なるのです。
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カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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