デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06あるブックデザイナーさんから、紙が値上がりして表紙の紙を自由に選べなくなったという話がありました。戦争が収束すれば値段が落ち着くのでは?という意見をお持ちだったので、本当に戦争が落ち着いたら紙や印刷の価格も落ち着くのか考えてみました。
戦争によるエネルギー価格の高騰以外に、原料となるパルプや古紙の値上がりで紙の価格が上がっています。印刷においては、製造している工場を閉鎖して供給量をコントロールすることで刷版などが値上がりしています。今後は印刷機械の部品などでも同じことが起きると予測されます。そうなると原油価格が落ち着いたからと言って、本当に価格が下がるのだろうか?と思ってしまいます。
平和紙業さんのファンシーペーパーも今年の春から夏にかけて、10~15%の値上げ案内が続いています。一般の印刷用紙では、値上げが一巡し二巡目に入るメーカーも出てきています。
新刊については紙代・印刷代の値上がりを価格に反映することができますが、問題は重版。改訂版、新装版などにして値段を上げるやり方もありますが、そもそもの問題はこの数十年の間、書籍の値段はほとんど上がらなかったことにあるのかもしれません。
安くて良い本がいつでも入手できるのは良い反面、需要が大きく減少する中でひずみが生じています。このままいくと、抄造の機械が故障しても修理できないなどの問題が起きることも。商売の在り方を見直す時期にきているかもしれません。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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