デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06印刷用紙は木材から作られたパルプを原料に作られるのが一般的。しかし、サーキュラーコットンペーパーは、洋服などのコットンの繊維から作られています。売れ残りや工場の廃棄物など、洋服に関連する繊維のゴミは世界のゴミの14%も占めているそうです。しかし 日本における繊維のリサイクル率は17.5%に過ぎず、毎年137万トンの繊維の廃棄物が捨てられ燃やされているとのこと。それに対して紙は85%が回収され、古紙利用率は67%。それならば繊維を紙としてリサイクルさせることで循環型社会を実現したい。そんな考えからサーキュラーコットンペーパーは生まれました。
紙の表面は上質なコットンのように柔らかく、やさしい風合い。白さを高めるための漂白工程を行わないため、紙に漉きこまれる素材によりロットごとの色味が異なることも、サーキュラーコットンペーパーの特徴です。
実際にテスト印刷を行ってみました。使用したのは10.5kg(1000枚換算で105kg)
非塗工紙のためインキは紙に染み込み、アラベールのような落ち着いた色味になりました。非塗工紙の場合、紙に浸透しすぎて色が浅くなることもありますが、サーキュラーコットンペーパーではあまり気になりません。ただ、表面に凹凸があるのでコート紙に比べれば印刷はシビア。ファンシーペーパーの印刷に慣れていないと、色がしっかりと入らないかもしれません。また紙ムケも若干多めです。
落ち着いた自然な色合いです。
粉状のトナーを静電気で吸着させ熱で固定化させるオンデマンド印刷では、トナーが紙にしみこまず表面で固まり、紙の上にトナーの膜が出来たような状態となるため、印刷面はオフセットよりも光沢が出て鮮やかな仕上がりになりました。
写真ではわかりづらいですが光沢のある鮮やかな仕上がりです
価格は数量や流通ルートによって変化するため一概には言えませんが、サンコーでの仕入れ価格はヴァンヌーボなどの高級印刷用紙とほぼ同等でした。安い紙ではありませんが、使うことで地球環境に貢献できて仕上がりも美しいサーキュラーコットンペーパー。選択肢の1つに加えることが出来る価格帯だと思います。
サーキュラーコットンペーパーのラインナップは、斤量が約70kgから265kgまでと幅広いので、薄いものをつかえば会社案内やパンフレット、壁掛けカレンダーなどに向いています。厚いものを使えばポストカードやパッケージ、タトゥファイルなどにも最適です。
このCCPは一般社団法人サーキュラーコットンファクトリー(CCF)によって作られています。CCFの理念に共感し、サンコーは2021年にパートナー企業となりました。エコな紙には様々なものが出ていますが、洋服などのコットン製品が原料というストーリーを持ったサーキュラーコットンペーパー。印刷のご相談はこちらのお問合せフォームからお気軽にどうぞ。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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