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グレーでもない、シルバーでもない、こだわりの色

公開日 2022.05.09   更新日 2022.05.09

東京都現代美術館で開催、TCAA 2020-2022の印刷物

2022年3月19日(土)~ 6月19日(日)に東京都現代美術館で開催されている、Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展のチラシとポスターの印刷を担当させて頂きました。ご相談頂いたのは岡本健デザイン事務所様。ご一緒させて頂くのは久しぶりで、気合が入ります。

Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展チラシの表裏。ちなみに裏面はCMYKの掛け合わせです

DICにもPANTONEにもない色

一番の拘りは、全面にあしらったグレーの部分。「ただの無機質なグレーではなく、少しシルバーを加えて光沢感を出しつつ、かといってシルバーを全面には出さないようにしたい」というご相談。通常はDICやPANTONEなどの色チップから番号を指定していただき、その番号の成分でインキを調合して印刷しますが、今回の最終的な仕上がりの色はチップに無い色。そこで私たちはグレーのベースを初めに決め、そこからシルバーのインキを少しづつ混ぜ合わせて調整していく方法をご提案しました。

色チップ DIC PANTONEベースとなるグレーをチップから探し出していきます

特色グレーにシルバーを混ぜ合わせる

グレーの見本はデザイナーさんにご用意頂いたデジタルプリントを参照。まずは一番近い色チップを探し出し、さらにインキディスペンサーで少しずつ数値を変えながら理想とする色に近づけていきます。なぜ、細かい数値を管理しているかの答えは最後に。
その後、シルバーのインキを混ぜ合わせていくのですが、まずはデザイナーさんのイメージにある、シルバーの配合率60%からテスト。思ったよりもシルバー感が強くなり、配合率を落としてみることに。次は配合率30%をテストしたところ、イメージに近い色合いになりました。

TCAA チラシ右側がベースとなった特色グレー。真ん中がシルバーインキ配合率30%、左が配合率60%

なぜ厳密な数値管理をしたのか

サンコーの印刷機は菊半裁判と呼ばれ、最大でA2サイズまでの印刷が可能です。今回ご依頼頂いたのはA4チラシ、B2ポスター、B1ポスターの3種類。このサイズを全て1社で賄える印刷会社は珍しく、多くは複数の印刷会社を跨いで印刷することになります。その場合の一番の悩みは、チップに無い色をそれぞれの職人が、色見本だけで合わせられるかどうか。皆、腕の良い職人ですが、今までにない色を表現するには、かなり難易度の高い技術になります。そこで、厳密に数値管理したグレーの特色を印刷する分だけ作り、現場ではそこにシルバーインキを混ぜて調整していく方法をとりました。その方法が大成功!印刷機と印刷する職人が違っても同じ色が表現できました。

色の比較最終的に仕上がった、ポスターとチラシの色味の比較

これからもみなさんのおもいをカタチにしていきます

今回の案件のように、まだ見たことのない色の表現をみなさんと一緒に作り上げていくことが私たちの強みだと思っております。これからもみなさんのおもいをお聞かせください。

Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展

会期:2022年3月19日(土) ~ 6月19日(日)
休館日:月曜日(3月21日は開館)、3月22日
開館時間:10:00-18:00
会場:東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1)
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーアーツアンドスペース・東京都現代美術館
入場料:無料
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03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)

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