デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06
昨年11月8日 ~12月2日 平和紙業株式会社のペーパーボイス東京で「それぞれが語る、それぞれの紙のストーリー展」が行われました。この展示会では、紙の商社である平和紙業さんが、王子エフテックス株式会社と一緒に取り組んできた様々な紙の開発の歴史などが紹介されていました。同時に、トーンFという新しい紙の発表会もかねています。 その会場で配布される16ページのパンフレットを、サンコーで印刷させて頂きました。
このパンフレットの印刷において、苦労したページがありました。そのページがこれです。
TONE-Fという紙は、寒色系のクールグレーと暖色系のウォームグレー、2系統のグレーがそれぞれ7色、計14色のラインナップとなっているのです。この商品の特徴である赤っぽいグレーと、青っぽいグレー、それぞれ7段階の濃度のバリエーションを持った紙の質感を、印刷で再現します。どの程度青や赤に寄せていくか。そして濃度はどの程度が最適なのか。CMYKの4色のインキの濃淡で、各色を表現していかなければいけません。しかも、そのうちの2色はページを跨いでいるので、別々の条件で印刷した紙同士が、隣り合って同じ色に見える必要があります。印刷機の構造をご覧になった方は理解してもらえると思うのですが、印刷の場合は隣り合っているページの色味によって刷りたい箇所の色が影響します。
そのため、クライアントさんにも立ち会って頂きながら、本物のTONE-Fと同じに見えるまで何度も色調整を繰り返し、やっと満足できる仕上がりになりました。何気ない見開きページにデザインされた色見本ですが、そこには、職人たちのこだわりがつまっているのです。
パンフレットの奥付に、社名を入れていただきました。ありがとうございます。
「TONE-F EXHIBITION」3月31日(金)まで平和紙業株式会社 ペーパーボイス東京 で開催中です。
詳しくはこちらへ ☟
http://www.heiwapaper.co.jp/shop/2017/02/tone-f-exhibition.html
こんな紙の魅力を、実際に作品を見て感じて頂きたいと思います。 是非足を運んでみてください。
T.O
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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