デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06「DICとPANTONEの違いについて、色々と調べてブログにまとめましたが、どうもよくわからない。」ということで、PANTONE(パントン・パントーン)の日本総代理店のユナイテッドカラーシステムズさんに直接電話して聞いてみたら、驚きの結果が!これは日本中のデザイナーさんに知って頂きたい。
サンコー)「PANTONE(パントン・パントーン)で色指示があり、近似色ではなくPANTONE(パントン・パントーン)のインキで印刷して欲しいので、インキを作ってくれるところを紹介して欲しい。」
ユ:「ユナイテッドカラーシステムズではインキは製造していないのでパントン社とライセンス契約したインキ会社に相談して下さい。」
えっ?・・・
PANTONE(パントン・パントーン)はあくまでカラーシステム(色見本)のみを持っており、実際にインキを作るのはライセンス契約をしている国内のインキメーカーとのことでした。
そこで、今度はPANTONE(パントン・パントーン)とライセンス契約をしている、あるインキメーカーに電話をしてみました。ちなみに、PANTONE(パントン・パントーン)のサイトによると、ライセンス契約しているインキメーカーは以下の通りです。 ザ・インクテック株式会社、 サカタインクス株式会社、 大日精化工業株式会社、DIC株式会社、谷口インキ製造株式会社、株式会社T&K TOKA、東京インキ株式会社、東洋インキ製造株式会社、三星インキ株式会社、女神インキ工業株式会社。
サンコー:「PANTONE(パントン・パントーン)に相談したら、ライセンスを持っている御社に相談してくれと言われたので連絡しました。PANTONE(パントン・パントーン)で色指示があり、近似色ではなくPANTONE(パントン・パントーン)のインキで印刷して欲しいので、インキを作ってください!」
あるインキメーカー:「担当者から連絡させます。」
2日後位に返事がきました。
あるインキメーカー:「PANTONE(パントン・パントーン)の調色は積極的には受けていません。理由として、色ごとの配合が決まっているわけではなく、クライアントからもらったチップをスキャンして、配合を読み取って自社インキで調合しているためです。それでも上手く色が出ない為、本紙で試して確認して微調整を行ってから納品しています。」
というこれまた衝撃の返答が・・・。DICなら写真の通り色の配合が決まっていますが、ライセンス契約をしているインキメーカーさんでも自社のインキでの配合表を持っていないようです。
T&K TOKAさんでは、PANTONE(パントン・パントーン)カラーマッチングに準拠している15色のベーシックインキ(ベストワン TOKAパントン)を取り扱っています。ただし費用面でかなり割高になるため、常備在庫している会社は少ないです。また、インキの配合が正しくてもチップの色に合わせるには、印刷面でかなり技術を要し、特にムラサキ系は再現が難しいようです。
前回のブログに引き続き、今回の直撃電話取材を通じてわかったことは、『カラーシステム(カラーチャート)のみを扱っているPANTONE(パントン・パントーン)と、インキメーカーが自社のインキで作れる色をチャートにしているDICは、そもそもの性質が異なっている』ということ。そうなると望む色がPANTONE(パントン・パントーン)にしかない場合を除けば、出来る限りDICの中で望む色を指定した方が、正確にその色を再現することが出来そうです。
ということで、業界内でもなかなか正確な情報がつかめずにいたPANTONE(パントン・パントーン)とDICの違いについて、ひとまずここまで分かったことをブログにしました。デザイナーさんからの相談も多いので、引き続き調べていきたいと思います。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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