デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06デザイン費、ディレクション費ってどうやって決まるの?デザインをお願いする人も、デザインを受ける人モヤモヤしているテーマではないでしょうか。ちょっとデリケートなデザインとお金について語りました。
サンコーは印刷会社ですが、co-labのメンバーさんと組んでデザインやブランディングの仕事もしています。製造業の価格決定の考え方からデザインとお金の問題について考えてみました。
仕入などの経費が発生する製造業では、価格を決める考え方の1つとして原価を積み上げて売値を設定します。その考えに則って、デザインが出来上がるまでを工程に分解して考えると、ヒアリング、企画、提案、調整、受注、制作、プレゼン、調整、納品、請求、入金と、11もの工程があります。それぞれにどの位の時間がかかり、その時間当たりの人件費の原価を考えます。参考までに、印刷業や製本業では、人件費の原価を3000円程度に見積もることが多いようです。
この原価に対して利益を見込んで時間当たりの売値を設定します。そして作業に掛かる時間で売値を算出する。そんな考え方が出来るかもしれません。
このように見ていくと、デザインをするお客様毎にデザイン費が変わってしまうのは、相手の足元を見ているのではなく、普通のこととも言えます。中小企業相手の仕事であれば、ヒアリングは社長一人に行えば良く、その先のヒアリングから受注に至るまでのプロセスもシンプルです。一方で大きな組織が相手のお仕事では、ヒアリングの複数のニーズが存在し、全てを満足させるような企画、提案が必要です。受注した際には契約書のやり取りが発生し、納品書や請求書にも先方のルールに合わせることが求められ、さらに支払は手形だったりします。制作する時間はほぼ同じだったとしても、それ以外の作業に掛かる時間は大幅に異なってしまい、売値は数倍になってしまうこともあります。
発注者の立場からすれば、相見積もりで価格を下げることを考えるよりも、社内の発注ルールを見直すなどを通じて、クリエイターにかかる時間的コストを減らすことを考えた方が、コストが下がりいいものができるかもしれません。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
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