デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06オフセット油性印刷のインキは紙に染み込んでいくため、紙の風合いを損ないませんが、オンデマンド印刷の粉末のトナーは紙の上で固まり、紙に対しての染み込みがないため、特に上質系の用紙の印刷面は紙の風合いが少なくなってしまいます。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の染み込みについて、ひとつ事例を紹介します。
こちらの事例はオンデマンド印刷とオフセット印刷のスミ濃度の違いについてです。お客様からのご依頼は初回6種類の印刷物を各1000部印刷、その後少なくなり次第、個別で200枚程度の増刷を考えているとのこと。印刷は片面スミ1色で用紙は色上質 若草 中厚口。ロット数から考えて初回はオフセット印刷、増刷時はオンデマンド印刷をご提案し、オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いを見て頂こうと、それぞれの本機色校正をお出ししました。
するとどうでしょう、同じ%で印刷したスミ濃度ですが紙の染み込みに関係した違いがこんな感じで出ました。
元のデータはスミ95%、どれだけ落としたらオフセット印刷と同じ濃度になるのか、いくつか調整してみました。結果は85%の濃度が一番近いことが分かり、オンデマンド印刷での増刷時は85%の濃度で印刷することになりました。
オンデマンド印刷を選ぶメリットは、小ロットから印刷できて部数によってはオフセット印刷よりも価格が安いこと。また、版を作成しないので短納期で仕上げることができる、などが挙げられます。
オフセット印刷はインキを使うのに対して、オンデマンド印刷はトナーを使ったレーザープリントタイプです。カラーコピーの高性能版と言った方がイメージしやすいですが、一般的な家庭用プリンターのインクジェット方式とはまた違った印刷方法になります。
オフセット印刷とオンデマンド印刷とでは、同じカラー印刷でも印刷方法がまるっきり違います。どちらの印刷かで迷われている方は事前にご相談ください。試しに小ロットの「オンデマンド印刷」、評判が良かったら大ロットの「オフセット印刷」など、印刷機の使い分けをご提案させて頂きます。それぞれの印刷機の色の出方も、今までの実績をご覧頂きながらご説明させて頂きます。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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