トップ 工藤陽介さんのエンジニアだからこそのデザイン視点 | 紙と印刷とラジオ 第30回

工藤陽介さんのエンジニアだからこそのデザイン視点 | 紙と印刷とラジオ 第30回

公開日 2021.03.03   更新日 2023.08.28

今回の放送は休み明け、オープニングの名乗りのコンディションがとても快調です。
西谷さんは休日の2日間で千葉県内を100キロ走りました。ラジオの中でも順調に走り出して行きます。

紙をマテリアルと捉え、紙そのものの性質に注目しながら様々な活動をされている工藤陽介さんにお話を伺いました。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、企業内ではパッケージデザインに携わりながら、2007年からはフリーランスの活動も開始し紙器パッケージ、ペーパープロダクトのデザインを専門にされており、製造を見据えたエンジニアリーに近いデザインをされています。

なぜパッケージデザインに興味を持ったのか

視覚伝達デザイン学科はグラフィックを扱う学科ですが、工藤さんはグラフィックよりも
プロダクト的な考えが好きで、ものを作る方が自分の性質に合っていると感じていました。そんな中でパッケージデザインの授業を受け、グラフィックの要素がありつつも箱や袋などものとして存在しているパッケージという分野が面白いと思い興味を持ったそうです。

ペーパープロダクトデザインでを表現していくか

工藤さんはお中元の箱や小物の家電の箱など、細かい設計が必要な薄物段ボールで、展開図を描き設計していくお仕事をされています。デザインと名前がついている部署ですが仕事は設計がメイン、グラフィックは1~2割程度だそう。その仕事で設計をして箱を作り納品するという流れを踏んでいる中、仕事で設計している箱を考えながら「この箱はもう少しこうしたら面白くなるのではないか」という別の観点での箱や紙の活かし方、「この設計を応用したらこんなことができるのでは」というアイディア出てくるようになり、それを捨てることがもったいないと思い始めてからは少しずつ出てきたアイディアを形にするようにしていったそうです。箱に使われる紙は仕事としては「箱」に加工されます。しかし、箱の状態に変えてしまうと出てこない紙の別の側面を使って欲しいのではないかと考えるようになったそうです。このようなもっとこんなことが出来るのではないかという思いを言葉にする時に「紙の声が聞こえる」という比喩を工藤さんは使うそうです。

紙を箱という「メディア」ではなく「マテリアル」として捉える工藤さん、紙にパラパラ漫画を描いたり折ったりした時のような誰もが少しでも持っている普段の感覚を「エンジニアリング」という作り方自体を作る作業を通してこれからも再現して行くそうです。

 

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