デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06再び硬い名乗りから始まった20回目のラジオ、西谷さんは「慣れないのがいいんだ」という上司の言葉をお守りにしているそうです。
今回のゲストは東條メリーさん、活版印刷の世界では良く知られる人物です。30分に収まりきるように気を付けながら活版印刷について語りました。
東條さんが初めて活版印刷に触れたのは2001年頃、活版印刷の名刺を作って来るようにと当時勤めていたweb制作会社に言われ、東銀座にある中村活字さんを訪問した時だそうです。そのころ東條さんは活版印刷のことはほぼ知らず勉強もかねての訪問でした。web制作の仕事ではメールだけで完結する事も少なくありません。、しかし、活版印刷は職人がいないと成り立たないものだと感じ、職人のアドバイスを取り入れながら作り出来上がった名刺も想像以上に良いものだったことから活版印刷に感動したそうです。そこから活版の仕組みから教えてもらい、活版印刷の魅力にハマっていきました。
東條さんが活版印刷に感動した頃には、オフセット印刷機の時代になっており、活版印刷での大ロット印刷はなくなっていました。さらにオンデマンド印刷機が出てきたことで、封筒の宛名入れや名刺のような小ロットの仕事も奪われていました。東條さんも中村活字さんの社長から聞き、「活版は終わりだね」という言葉が心に残り「何とかしなきゃ」と思ったそうです。そこで活版印刷によるワークショップをはじめました。
ワークショップの参加者の中では活版印刷が初めての方と、懐かしむ方の二手に分かれていました。初めての方にはアナログを感じられると新鮮な気持ちで楽しまれていました。その感覚が世の中に広まり、生産性が低く、凹みやかすれが出来るという活版印刷のデメリットが、価値と捉えられる時代になりました。
これからも活版印刷を多くの人に知って頂くための活動をつづけたいと語る東條さん。今まで行ってきたワークショップの他に、失われていく活版印刷の情報を残していくために映像として残す計画もあるとのこと。活版印刷は終わりませんでしたね。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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