デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06今日ご紹介するのは、「すみだ向島 EXPO 2020」のパンフレット。co-lab墨田亀沢メンバーの青木佳代(かようびデザイン室)さんからご相談をいただき、お手伝いさせていただきました。
今も「お隣さん」づきあいが生きる東京。“長屋文化”を背景に独自の進化を遂げ続けてきた墨田向島エリアにて開催されるこのイベント。パンフレットのビジュアルは長屋で暮らす人々のお隣さん付き合いをイメージしてデザインされたそうです。その雰囲気にあわせて、長屋の屋根を形状でも再現したい!というご相談をいただきました。
通常、斜めや特殊な形状を表現する場合は、刃型を作成してその型をもとに抜いていくという方法をとります。ただ、そうすると加工コストが高くなってしまう…コスト減のためには弊社で断裁を…!そこで製本担当の権平と、スキャナ・レーザーカッター担当の井上が手をくみ斜めカットの方法を研究することに。
直接紙をななめにセットして、角度をつけてカットすることもできそうですが、仕上がりにばらつきが出てしまいますね。そこで斜めにしたい部分を平行にカットできるよう、断裁機にセットして使えるアクリルの治具を作成することにしました。
はじめに、斜め部分を平行にカットするには底辺にどのくらい角度をつけたらよいか。紙にパンフレットを当てて、線を引いてみることに。
見当がついたら、手書きした線をスキャンして取り込みます。 取り込んだ線をもとに、角度のついた図形を作成。治具の形を決めていきます。
こんな感じかな・・?この図を紙に印刷し、パンフレットをあててみます。
治具の下辺と、斜め断裁後の辺が平行に!なりそうです。これで角度はOK。 つぎに、レーザーカッターでアクリルを加工するためのデータを作成します。
なにやら中央に丸い穴ができました。これは断裁機にセットする際、紙のずれを少しでも減らせるよう角を合わせるための指用の穴。確認の途中で生まれたアイデアです。
今回は、社内の端材を使用。レーザーカッターで5㎜厚のアクリルを6枚カットして重ね合わせました。~治具の完成~
早速断裁機にセット!
あいにく裁った後の写真ではございますが…角のカット部分が、断裁機の刃にそって平行になっているのがわかります。
断裁時の注意ポイントは、開いたときに周りを囲んでいる青い縁。この縁の太さが一定になるよう心がけています。
試行錯誤の末、斜めの屋根ができました!!最後のひと手間で印象がガラッと変わりますね。長屋の存在感と人々の集う楽しそうな雰囲気がより伝わってきます。(無事にカットできて安堵しております)
レーザーカッターを駆使することで、さらに複雑な断裁もできるかも…??ご相談、お待ちしております。
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デザイン / かようびデザイン室さま
加工 / サンコー
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すみだ向島EXPO 2020
開催期間:2020年8月8日(土)~9月6日(日)
開催場所:東京都墨田区曳舟エリア
※新型コロナウィルスの影響で、延期・中止となる可能性がございます。
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