トップ 戦争が落ち着いたら紙・印刷の価格は落ち着くのか? | 紙と印刷とラジオ 第109・・・

戦争が落ち着いたら紙・印刷の価格は落ち着くのか? | 紙と印刷とラジオ 第109回

公開日 2022.10.12   更新日 2023.05.17

あるブックデザイナーさんから、紙が値上がりして表紙の紙を自由に選べなくなったという話がありました。戦争が収束すれば値段が落ち着くのでは?という意見をお持ちだったので、本当に戦争が落ち着いたら紙や印刷の価格も落ち着くのか考えてみました。

印刷も紙も製造に関わる原料やエネルギーの全てが値上がりしていて、円安の影響も大きい。

戦争によるエネルギー価格の高騰以外に、原料となるパルプや古紙の値上がりで紙の価格が上がっています。印刷においては、製造している工場を閉鎖して供給量をコントロールすることで刷版などが値上がりしています。今後は印刷機械の部品などでも同じことが起きると予測されます。そうなると原油価格が落ち着いたからと言って、本当に価格が下がるのだろうか?と思ってしまいます。

ファンシ―ペーパーもとうとう値上

平和紙業さんのファンシーペーパーも今年の春から夏にかけて、10~15%の値上げ案内が続いています。一般の印刷用紙では、値上げが一巡し二巡目に入るメーカーも出てきています。

紙と印刷をふんだんに使用する「書籍」はどうなるの?

新刊については紙代・印刷代の値上がりを価格に反映することができますが、問題は重版。改訂版、新装版などにして値段を上げるやり方もありますが、そもそもの問題はこの数十年の間、書籍の値段はほとんど上がらなかったことにあるのかもしれません。
安くて良い本がいつでも入手できるのは良い反面、需要が大きく減少する中でひずみが生じています。このままいくと、抄造の機械が故障しても修理できないなどの問題が起きることも。商売の在り方を見直す時期にきているかもしれません。

紙と印刷とラジオ懸垂をしている西谷さんと、腕立て伏せをしている有薗

03-5608-5741
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)

© SANKO