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デジタル版画と伝統工芸の融合

公開日 2020.09.29   更新日 2025.12.08

この版画は何?

じつはこれ、墨田区のプロモーションポスターなんです。

墨田区の創業支援はとても充実しています。そこで、もっと多くの方に知ってもらうために起ち上がったのが、「ものづくりスタートアップ連携促進事業プロモーション」のポスターです。

レーザーカッターで制作した木版画のポスター

プロジェクトを任されているENJIN TOKYOさんから、

「墨田区は葛飾北斎が生まれ育った街。そこでサンコーさんが行っているデジタル版画の技術を使って、浮世絵の摺り職人に刷ってもらい、ポスターにしたい」
というご相談をいただきました。

この領域での制作経験はなく、まったくの未知のチャレンジでしたが、事業の企画内容がすばらしく、純粋に応援したい気持ちが勝ち、即答でお引き受けしました。

ここで求められたのは、
“伝統的な木版技法”と“レーザーカッターによる精密な版づくり”、そして“印刷工程での再現性”
という、異なる技術を掛け合わせて成立させる制作でした。

デジタル版画と通常版画の違い

制作が始まってから、版木のサイズ、デジタル版画と通常版画の堀の深さや角度の違い等、クリアしなければならない点が次々に出てきました。

デザイナーさん、摺師さんと話し合い、実際に摺ってみた結果をもとに、
版の精度・階調の出方・重ねた時の見え方を確認しながら、データから作り直す作業を何度も繰り返し、ようやく完成へ辿りつきました。

紺色のグラデーション用の版

紅色の版

緑色の版

黒色の版

デジタル版画ポスターメイキング

レーザーカッターで加工したデジタル版画の技術が、この作品を形成する一つの大切なピースになっていることを誇りに思っています。

さらに、「アナログの風合いを、デジタルと印刷の技術でどこまで再現できるか」
というチャレンジは、サンコーだからこそ応えられた部分だと感じています。

03-5534-5731
(お気軽にお問い合わせください|平日 10:00~18:00)

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