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「時代に関係なく、残る印刷物」

2018.03.24

デザイナーの相田さんから最初に連絡をいただいたのは、昨年6月のことでした。「愛知で作業用・防寒用の手袋や靴下の販売・製造を行っている石川メリヤスさんのカタログのデザインを担当することになり、印刷の相談と見積もりをお願いしたい」の内容です。

co-lab墨田亀沢を立ち上げる際に色々と相談にのっていただいたデザイナーさんからのお話に、見積もり提出から最初の打ち合わせ日時の決定まで、トントン拍子で話は進みました。そして、7月下旬に石川メリヤスさんの大宮社長も同席の下、顔合わせも兼ねて一回目の打ち合わせを行い、カタログの方向性、今後のスケジュールなどを話し合いました。

紙の選定・仕様の決定

11月になると本格的に仕様の決定に向け動きだします。ポケット付きファイルを表紙にして、本文は32ページで中綴じ製本。表紙と本文の紙を決めるにあたって、デザインは全体的にシンプルにしたいが、表紙ではメリヤスの素材感を表現したい。」とのご要望をいただきました。そこで、平和紙業さんが昨年発売したばかりのICHIMATSU(ホワイト) をご提案。この紙は、市松模様が型押しされているため、独特の肌触りがありながら、シンプルなデザインにもマッチします。相田さんも石川メリヤスさんもとても気に入っていただきました。当初のお見積もりより高くなることもご了承いただき、表紙の紙は決定です。

次は本文の紙です。「風合いのある紙で、商品の写真もきれいに表現したい」とのご要望です。実は直前まで決まっていた紙があったのですが、相田さんが実際その紙に印刷された見本を確認したところ、写真の再現があまり良くないことに気付きました。理由としてその紙は非塗工紙であることが判明。似た紙質で塗工されている紙を提案させていただき、無事に本文の紙も(この段階では・・・)決まりました。

データ入稿・本機校正

今回のパンフレットは、お店のバイヤーさんが商品を発注する際に使うものであり、色の再現性が求められます。そのため、実際に印刷する機械および紙を使っての本機校正を行いました。通常色校正を実施するときは、時間の節約のために片面のみ印刷をします。しかし、紙の透けについて相田さんが話していたのが気になり、表裏での本機校正をご提案しました。表裏での色校正は、作業時間が多くかかり、使う紙の枚数も余分に必要になるので通常ではあまりやらない工程で、相田さんも今までやったことがないと驚かれていましたが、出来る限り最終形態に近い状態で校正をお届けしたいと思い、迷い無く決定しました。商品の色に関しては、入稿時は基本的に修正せず、色校正後に仕上がりを確認、色の判別が難しい写真をピックアップして修正する流れになりました。

再度紙の選択・画像修正

色校正が出来上がり、写真の色も含め仕上がりに喜んでいただいたのですが、ひとつ問題が発生しました。気にしていた印刷物の透けが気になるのです。結果として、表裏での色校正が正解だったことになります。しかし、校正後の紙の変更は予定外であり、印刷スケジュールを考えると早急に新しい紙を決めないといけません。色校正を確認していただきつつ、再度本文の新しい紙の選定に入ります。相田さんが平和紙業さんに「紙質が似ていて透けにくい紙」を条件に相談した結果、いくつかの候補から最終的にグラディアに決まりました。

写真ではわかりづらいかもしれませんが、裏ページの絵柄の透けが気になります

あとは商品の色を含めてのデータ修正です。石川メリヤスさんの商品は色の種類が多く、似た色の商品もあります。個々に現物の見本に近づけるのはもちろんですが、今回は「似た色の色差を出す」ことも求められます。パンフレットを見た人が「これは黒?紺?」と悩んでしまうより、パッと見た時に「黒は黒、紺は紺」と表現されていた方がわかりやすいケースもあります。このデータでは判断できない、感性に基づく色作りは、長い間製版会社として営業してきたサンコーが、一番得意としている分野かもしれません。

フォトショップを使って微妙な色を修正します。オペレーターの腕の見せ所です

画像修正が終わったら、色校正を取り直します。今回は1台分だけとります。すべてのページで再度色校正をするとコストが掛かってしまいます。紙が変わることで、一回目の色校正とどの程度仕上がりに差がつくかの確認をすることが目的であるため、最小限のページ数で実施します。せっかくここまで順調に進んできたのに、違う紙になったことにより仕上がりが変ってしまうのでは?と少し不安はあったのですが、新しい紙での色校正の仕上がりは問題なく、紙の透けもまったく心配ありません。その他のページは簡易校正などで商品の色も確認していただき、印刷工程に入りました。

納品

製本が終わり、石川メリヤス様と相田さんに、印刷物を発送しました。見本到着後すぐに相田さんからメールが届きました。

「素晴らしいです! 印刷が安かろう早かろうになり減って行くなか、御社のこだわりを感じました。 時代に関係なく、やはり残る印刷はありますよね!きめ細かくご相談に乗っていただき本当にありがとうございました。」

まさに、サンコーがやってきた事、これからも継続してやろうとしている事を集約していただいたような内容に、こちらも達成感と「喜んでいただいて良かった!」の気持ちでいっぱいです。

今回のカタログは石川メリヤスさんのホームページにPDFでも掲載されています。

http://ishimeri.com/

是非、素敵なデザイン構成で紹介されている石川メリヤスさんの豊富な商品をご覧になってください。ICHIMATSUに銀の箔押しは、とてもきれいな仕上がりです。

 

 

「石川メリヤス様カタログ」

デザイン   コンサルティングデザイン東京 相田貴子

印刷 株式会社サンコー

表紙(ポケットファイル付き) 用紙 ICHIMATSU(ホワイト)175k 箔押し(つや消し銀2B)

本文 用紙 グラディアCoC 菊83.5k

中綴じ製本

T・H

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