デザインのひきだし50に掲載されました!
2023.10.06今日は紙と印刷とラジオを司っているディレクターが、近所の飲み会に呼ばれておりいません。少し開放されたような気持ちになりながら話しはじめました。オープニングの瞬間から聞いてくれる方が近頃増えてきました。数字でリスナーさんの存在が見えるのは嬉しいことですが、同じくらい緊張もしてきますね。今日のテーマはファンシーペーパー、2人のリスナーさんの質問にお答えします。西谷さんのためにあるような回になりました。
大阪本店で7~8年、東京本店で11年と新卒から平和紙業で働いている西谷さん。もともと印刷やデザイン、紙について興味は無かったそうです。就職活動では大学で学んでいた環境問題に関係する会社を回っていました。そんな中、ドイツ装(表紙に厚紙を貼り、背表紙を無線綴じする製法方法)が施されている平和紙業の会社案内がとてもかっこよく、入社を決意しました。現在は販売推進本部にて、デザイナーやデザイン会社に紙の情報を提供したり紙についての相談に乗るお仕事をされています。営業のように売上を伸ばすというミッションがないため、西谷さんがおすすめする紙は的確ですね。
そもそも何を定義として「ファンシー」というのでしょうか
まずは プリプレスとプロセスはコーデュロイとコールテンの違いでしょ さんからの質問。
平和紙業さんでは「ファンシーペーパー」、竹尾さんでは「ファインペーパー」と呼び、それぞれ別の語源を持つ造語です。詳しくはこちら
「色、テクスチャ、風合いを持つ付加価値のある感性に訴える力を持った紙」という意味が込められた紙だそうです。
紙には上質紙、コート紙、マット紙、など様々な種類があります。製紙連合会が出している紙板統計年報という資料に分類表があり、紙はその中で細かく分類されています。ファンシーペーパーはその中では「特殊印刷用紙-その他」に分類され、その位置づけは分類表全体の中の1%にすぎません。その1%の中に10,000種類もの紙があり、西谷さんを始め紙屋さんはその中から希望に沿った紙を選びます。少しニッチですが付加価値がとても高いのがファンシーペーパーです。
二つ目はかがりさんからの質問。「薄い紙は特に目の方向がわかりづらいです。コピー用紙になるとなお分かりません。そもそもなぜ縦目と横目は出来るのでしょうか。」という質問。
この質問に対して、まずなぜ紙目が出来るかの理由として「繊維を漉いて紙が作られるときに、繊維が流れていく方向のまま水分が蒸発して紙の繊維が固まるため、縦目と横目が出来るのです。繊維に対して垂直に紙を破ろうとすると綺麗に破れません。そのためトイレットペーパーなどはミシン目を作り、繊維を断ち切りやすいようにしています。紙に印刷や加工をする時にも紙の目に沿っていない方向に紙を折ると割れてしまったり、印刷面が汚くなったりするので、サイズと面付けの向きを発注の段階で考える必要があります。」とのことです。
そして縦目横目の調べ方としては「破って綺麗に破れたら縦目、綺麗に破れないのが横目。紙が湿った時に湾曲する方向が縦目です。」とのこと。手元の紙で試してみてください。
カラー写真を全て蛍光色に置き換えたり、4色機で一気に12色印刷してみたり・・・。印刷職人ですら予測出来ない事を実験しています。
毎週火曜日の夜8時から。紙のこと、デザインのこと、印刷のことについて、 ゆるゆると語る30分。
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