印刷によるドライダウンは、経験の長い職人でも予測が難しい。特にコン色はどんな条件でどう転ぶか全くわかりません。わからないので実験することにしました。 印刷実験室vol 12「🍆茄子関係の皆様へ、ナイスな茄子になる印刷方法を探してみた印刷見本帳🍆」 オフセット印刷では基本的にC、M、Y、Kの4色を使って様々な「色」を表現しています。色は印刷物の品質を左右する重要な要素のひとつですが、その色を私たちの持つイメージ通りに合わせる事は難しく、彩度が高い色(オフセット印刷では色がくすんで暗くなる)、ドライダウンによる色の変化には注意が必要・・・・・・という事で、今回は ドライダウンによって特に変化しやすい色「少し赤みの入った濃紺色」=ナスの印刷にトライ します! 少し赤みの入った濃紺色はドライダウン後に赤浮き、もしくは青浮きしてしまう傾向があり、紙の種類もその変化に影響することから、A. 印刷方法 と B. 紙の違い でそれぞれ仮説を立て比較検証を行いました。 印刷方法で赤浮き(青浮き)を抑えるための検証 ① データ通りに製版 この①が基本の印刷方法で、②~④との比較材料となる。※今回はどちらかというと赤浮きが予想されるため赤浮きを抑えることを重視する。 ② スミの割合を最大にする設定で製版 4色が掛け合わさって黒く見える部分をスミ(K)に置き換えて製版し、MとCの割合を減らすことで色浮きを抑える。(ドライダウン後に色が浮き出てくる可能性のあるMとCを、可能な限りKに置き換える。) 結果:色浮きは抑えられるが、写真全体がやや浅く感じるように・・・ ③ ①と同じ版→MとCの刷り順を通常とは逆に印刷 刷り順をK→M→C→Yの順に変え、Mの後にCを乗せることにより赤浮きを抑える 結果:予想に反して赤っぽいナスになる! ④ ①と同じ版→墨をDICカラーN912(茄子紺)に変えて印刷 結果:①よりも若干明るい印象のナスに 紙で赤浮き(青浮き)を抑えるための検証 非塗工紙は塗工紙よりもドライダウンによる色浮きが起こりやすいと予測し仕上がりを比較するとともに、非塗工紙に関しては真っ白だけでなく赤味・青味の入った紙も用意し、紙の色による影響、印刷面の変化を検証する。 用紙名 品種 紙色 コート紙 塗工紙 参考出品 Aプラン スノーホワイト 非塗工紙 真っ白 Aプラン スカイホワイト 非塗工紙 やや青味のある白 トーンF CG1 非塗工紙 やや青味のある淡いグレー トーンF WG1 非塗工紙 やや赤味のある淡いグレー エコジャパンR なす 非塗工紙 紙色がそもそもナス色(友情出演) 結果:非塗工紙の方が赤浮きしやすいと思ったが結果はそこまで目立った赤浮きは起きなかった。紙色に青味のあるAプラン(スカイホワイト)、トーンF(CG1)の方が全体的に赤味を抑えられた。 印刷用語メモ ドライダウン … Continue reading 「ドライダウン」「色の転び」を実験しました
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