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[前編] IT企業と町工場の強みを結集した新たな手帳サービス「ネットde手帳工房」記者会見レポート!

2017.07.04

2017年6月29日13時、品川のキヤノンSタワー某室。マスコミ関係者約50名が集まり、キヤノンITソリューションズ株式会社(以下キヤノンITS)が手がけるサービス「ネットde手帳工房」のプレスリリースが行われました。

ネットde手帳工房新聞記者、雑誌編集者など、多くの方が手帳販売の常識を変える新サービスに注目。

自分でデザインするオリジナル手帳を、一冊ずつ印刷・製本して届けてくれる新たな手帳サービス「ネットde手帳工房」。その記者会見の壇上へ現れたのは、開発者であるキヤノンITSの小野忠(ただし)さんと……サンコー経営企画室の有薗、そしてco-lab墨田亀沢のメンバーでもある篠原紙工の篠原慶丞(けいすけ)さん。なんと2社は「ネットde手帳工房」の実現に向けタッグを組んだパートナー企業だったのです。

ネットde手帳工房会社のロゴを指差して笑顔の篠原さん(左)と有薗(右)。

なぜ、サンコーと篠原紙工が、社員4,000人を超える大企業キヤノンITソリューションズのパートナーとなり、先進事例に取り組むことになったのでしょうか。その裏側には、印刷や紙加工の未来を、夜な夜な(飲みながら)語り合ってきた二人の「印刷や紙加工の新たな流れをつかみ、業界の未来を拓く」という強い想いがあったのでした。
記者会見は、小野さんによる「ネットde手帳工房」の事業戦略と、サービスの解説からスタート。「ネットde手帳工房」には3つの特徴があるそうです。

ネットde手帳工房従来の手帳の問題点について語るキヤノンITSの小野さん。

1「選ぶ」から「デザインする」へ
手帳は、1990年代まで、会社や取引先から「もらうもの(企業手帳)」、2000年以降は、ほぼ日手帳や「超」整理手帳の流行により、店頭で「選ぶもの(市販手帳)」となりました。
しかし、ライフスタイルの多様化に手帳のデザインが追いつかず、手帳ユーザーの6割が何らかの不満を感じているという現実が。そんな現状を踏まえ、手帳を「自分でデザインするもの」に変えたいという野望に燃えた小野さん。その思いが「ネットde手帳工房」の開発につながったのです。具体的にはこんなカスタマイズができます。

1.セレクト(多くのサンプルからレイアウトを選べる)
2.カスタム(レイアウトサンプルのカスタマイズ・新たなレイアウトを自分で作成)
3.アップデート(手書きのPDFなどをアップロードして手帳のページに組み込める)
4.ソート(ページを1ページごとに自由に並べ替え)

2 町工場と一体となった製品開発(ここ重要!!)
しかし、従来、印刷業や製本業は大量生産が基本。多くの会社に「一冊ごとに異なる手帳」の製造を打診しても、受託先が見つからなかったそう。そこで登場したのが、サンコーと篠原紙工! 小野さんからは「二社は、新プロジェクト実現のため、課題をともに解決してくれる、真のプロフェッショナルだった」と感謝の言葉が贈られました。

解決した課題はこの3つ!
◆個別印刷にかかる手間とコスト(サンコーが中心になり解決!)
一冊ごとに異なる印刷は版を使った「オフセット印刷」を利用できず、コスト削減が難しい。
→オンデマンド印刷を採用し、複数面割付で印刷効率をアップ。

◆開く製本(篠原紙工が中心になり解決!)
手帳は「平置きしても閉じない」という暗黙の要件を満たす必要がある。
→糸綴じ本ではなく、PUR製本※を採用し、製販一体で耐久テストを実施。
※PUR製本:ポリウレタン系接着剤を背加工処理に利用した製本方式。無線綴じと比べ、接着剤を薄くでき、開きが大きく丈夫なのが特徴。

◆誤発送防止(キヤノンITSが中心になり解決!)
全て個別に配送する必要があり、誤発送が起こりやすい。→誤発送防止システムを独自に開発。

3 廃棄のない手帳販売
手帳は上等な紙でできた季節商品。時期が過ぎると廃棄されるのはもったいない。と小野さん。ワタシメイド手帳は受注生産なので、売れ残りそのものがなくなるのが特徴です。手帳カバーの付属もなくし、徹底的に無駄を排除しています。

その後、有薗、篠原さん、アマチュア写真家の中島さんによるプレゼンテーション。時間は一人3分!開発時の苦労や、プロジェクトにかける思いを凝縮して語りました。

ネットde手帳工房有薗のプレゼン技術は、キヤノンITSの方々から大評判(と打ち上げの席で聞きました(笑))。

トップバッターは、印刷と梱包、発送を担当するサンコーの有薗。「一冊ずつデータが異なる印刷は、大量に同じものを刷る印刷会社にとって馴染みがなく、方策を0から考える必要があったため苦労した。ただ、印刷にもオーダーメイドの時代が来ると感じていたので、小野さんからお話を伺ったときに、何が何でも形にしたいと思いました」と語ります。

ネットde手帳工房本を片手にプレゼンする篠原さん。会場の笑いも引き出し、終了後には拍手が!

今回、製本を担当する篠原紙工の篠原さん。「紙には“感動・伝える力・所有感・機能性”という4つの価値があり、その価値を伝えられる仕事をしたい。「ネットde手帳工房」は、機能性が高い商品になると直感し、有薗さん同様、必ず実現したいと思っていました」と、自社で手がけられた絵本を手に話されました。

ネットde手帳工房農業女子フォトグラファーの中島さん。美しい写真が手帳デザインに使えます。

ラストは、アマチュア写真家の中島沙織さん。OTA FACTORYという会社で農業を営みながら、自然の風景や野菜を撮影し、配信しています。文具のイベントで出会った小野さんからオファーを受け、手帳の挿絵として写真を利用できるライセンス契約を結びました」と、今回の経緯を説明されました。

プレゼン後は、小野さんによる新サービスのデモンストレーションが行われ、質疑応答を経て、フォトセッションへ。新サービスの開発故の苦労を重ねてきた4社の代表。数多のフラッシュを焚かれる中、充実感に満ちた表情が印象的でした。

ネットde手帳工房マスコミのカメラに囲まれる4人。左から篠原さん、中島さん、小野さん、有薗さん。

文章・写真:岡島梓

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