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特色掛け合わせの印刷

2016.05.14

特色掛け合わせ
今回は非常に変わった印刷をする機会を頂きました。

グラフィックデザイナーの一ノ瀬雄太さんから、名刺の印刷についてご相談を頂きました。入稿されたデザインはこのようなものです。

特色掛け合わせ
名刺のデザインデータ

色数でいうと、赤・緑・黄・青・紫の5色で構成されています。通常、このような印刷物の場合は、CMYKの4色のインキを使って再現をします。しかし、その場合緑や紫が、画面で見ているような明るさでは再現する事が出来ません。これは、モニター画面(RGB)の性質と、印刷インキ(CMYK)の持つ性質の違いによるもので、致し方の無いことです。CMYKで色の鮮やかさが表現できない場合には、蛍光インキを使い狙った色そのものを作り出し、その色のインキで印刷をします。このように表現したいドンピシャのインキを、複数のインキを調合することで作ることを『特色』といいます。特色を使えば、かなりイメージした色に近づけることはできます。

しかし、そこで問題が発生しました。このデザインでは5色の色を使っています。印刷機には4つしか胴がついていません。従って、同時に印刷できる色数は4色までなのです。5色を印刷する場合には、2回印刷機を通す必要があります。そのため、コストが大幅にアップしてしまいます。

それでは名刺という用途では使えません。そこで、「最大で4色のインキを使いながら、出来る限り狙った色に近づけていく印刷ができないか。」 その方法を探る事になりました。幸い今回のデザインは黒インキ(K)を使用しない構成がされています。そして、紫は赤と青の中間色であり、緑は青と黄色の中間色です。どれか1色を2つのインキの掛け合わせで表現できれば、4色のインキで5色を表現できるかもしれません。

早速デザイナーさんと打ち合わせです。

特色掛け合わせ
カラーチャートを見ながら、画面でイメージしている色が、印刷ではDICの何番に相当するか確認していきます。

打ち合わせを進めていくと、何の色を重視するかによって、4通りのインキの組み合わせ方があることがわかってきました。

全体的にバランス良く表現しようとしたら、赤(M100/黄60)、紫(C80/M100)、黄(Y+蛍光Y)、青(C75)、緑(特色)と言う組み合わせが考えられます。CMは通常の色。Yは蛍光黄色を混ぜて彩度をあげ、緑だけは特色を練ります。

紫を強く出そうと思ったら、赤(特色)、紫(特色)、黄(Y+蛍光Y)、青(原色藍80)、緑(原色藍+Y)と言う組み合わせになります。この場合、紫・赤は狙った通りの色になりますが、緑が狙った色にならない可能性が高くなります。

同様に、緑をメインにした場合、青をメインにした場合の組み合わせも出してみました。緑をメインにすると紫が犠牲になり、青をメインにした場合も紫に影響がでます。

特色掛け合わせ
どの色をメインにするかによって異なるインキの組み合わせ

最終的にバランスを重視したパターンで行くことを決め、実際に印刷工程に入ります。印刷作業の時にも一ノ瀬さんに立ち会って頂きました。

特色掛け合わせ
刷上りを見ながら微調整

黄色に蛍光黄色を混ぜて色を作り、黄色の発色を良くしていきます。そうすると、Mと組み合わせた赤(オレンジに近い明るい赤)では、蛍光黄色が入っているため黄色の濃度が弱くなってしまいます。そんな状況を見ながら、最適なインキの調合と印刷機でインキの供給量のバランスを調整し、濃度を一ノ瀬さんのイメージにあわせていきます。

特色掛け合わせ
微調整をしながら数回試し刷りをします

このような試行錯誤を経て、印刷で表現する事が難しい明るい5色の色を、4色のインキで表現する事ができました。一ノ瀬さん、いい笑顔です。

特色掛け合わせ
このような取り組みは、サンコーとしても初めてのことで、私たちにとっても色々と学びがありました。サンコーはお客様の「おもいをカタチにする」ことが自分達の仕事だと考えています。これからも、「こんな色を表現したい」 そのようなおもいに、一丸となってお応えしていきたいと思います。

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