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奥の深い特色印刷~カラー印刷との違い~

公開日 2016.09.14   更新日 2024.01.23
職人技

特色印刷とは?

特色印刷とは、「特色インキ」を使って印刷することをいいます。特色インキはDIC、PANTONE、TOYOといったインキメーカーのカラーチャートをもとに、印刷会社で配合して作ります。
では、この特色印刷にどのような特色があるのか、見ていきましょう。
DICカラーで特色を指定する時の注意点を説明したブログはこちら

カラー印刷(プロセスカラー)との違い

発色が違う

金・銀などのメタリックカラー

CMYK(プロセスカラー)では金をC40%、M45%、Y78%、K0%などで表現します。それに対して、特色でメタリックカラーを使った場合、インキの中に金属の粒子が含まれているため、キラキラした仕上がりを実現することができます。
メタリックカラーインキを使って、箔押しの質感を目指した印刷実験室のブログはこちら
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蛍光色などの明るい色

蛍光ピンクや蛍光イエローなど蛍光塗料が入ったインキを使って色を作ることで、プロセスカラーでは表現できない明るい色を作ることができます。サンコーではこのようなお仕事で蛍光インキを使った表現をしています。

カラー印刷に蛍光インキをのせて印刷してみた印刷実験室のブログはこちら
蛍光インキのポスターの制作事例はこちら
特色インキを掛け合わせた光と影で表すカレンダーの制作事例はこちら

また、CMYKでは色域が狭く出すことの出来ない明るい紫やエメラルドグリーン(明るい緑)を表現するために、特色を使うケースもあります。
さらに化粧品の写真などでは、肌色をより美しく見せるためにCMYKの写真に蛍光ピンクを重ねるようなケースもあります。

色が安定する

プロセスカラーでは周りの色の影響を受けて網点が数パーセント変動してしまいます。そうなるとロゴマークなどの色がブレてしまうこともおきます。特に濃度が薄い(網点の数値が低い)色では、数パーセントのブレが色の印象を大きく変えるとともに、紙色の影響も受けやすくなります。
一方特色では、インキの配合を一度決めてしまえば、周りの色の影響を受けることはありません。さらに薄い色であっても網点を使わずにベタで印刷ができるため、紙色の影響を排除しやすくなります。

CMYKと特色の違い

コスト構造が違う

特色は機械を洗浄する手間賃が入るため1色にかかるコストは高くなります。しかし、1色や2色でデザインを表現できるので、問題集の表紙を科目ごとに色を決めて毎年印刷するなどCMYKよりも安くできることもあります。

特色の効果的な使い方

このようなプロセスカラーとの違いを理解すると、特色の効果的な使い方が色々と見えてきます。

発色の良さを活かしたデザイン

CMYKよりも表現できる色味の幅が広く、特にメタリックカラーなどCMYKの4色では表現できないインキを使用するなどの発色の良さを活かしたデザインができます。

色の安定性を活かしたロゴマークなどでの活用

ベタで印刷ができるため、紙色の影響を受けず、ロゴマークの印刷などの色ブレが許されない印刷に適しています。

コスト構造の違いを活かしたバリエーション

CMYKでは4色を使い印刷するところを2色のインキの掛け合わせで色を作ることも可能なためコストを調整しやすいこともあります。また、問題集の表紙の色など、1度決めた色をリピートして印刷し続けることもできます。

インキ納品も可能です。

特色(スポットカラー)は、昔は職人が肌感覚で身に着けた配分でインキを作り印刷していましたが、現在はインキディスペンサーという調色機を使い、精度の高いインキを作れます。
調合した特色インキに色のDICナンバーと、紙にインキをつけた色味の見本を付けて納品することもできます。

インキを納品し目を惹く色合いの御朱印帳を有限会社篠原紙工様が制作されました。

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